世界征服をするために!バイデン、プーチンを裏から操る方法【世界征服ラジオ#1】中田考×えらいてんちょう
ハサン中田考×えらいてんちょうの【世界征服ラジオ】#1
■アメリカは日本の番犬だと思えた時代
E:なるほど、代理人に世界征服させるわけですね。
H:ネトウヨだって、そういうものですよね。おれが岸田総理大臣を使ってるんだって。ツイッターで左翼を叩いて、これでオレが日本を守ってやっているんだ、そのために岸田を選んで総理をやらしてやってるんだ、って。
E:会社とか、学校とか、業界とかでも応用できそうですね。
H:リアルに接触があると、いろいろ実際に言い返されたりするので、ちょっと大変ですが、ツイッターとかなら、「岸田はおれが昔世話してやったんだ」とか言っても、「世話になった覚えはありません」とは本人からまず返信が来たりはしませんから、言いたい放題です。
E:でも世界征服しようと思うと、日本の総理を手下にしてもなかなか難しいんじゃないですか? 日本が世界征服するロードマップとか作っても、あまりリアリティ感じられませんよね。アメリカにダメ、と言われておしまいみたいな。
H:身も蓋もない。
E:日本の総理なら、ツイッターでネトウヨ発言してるだけでも、オレが総理にしてやった、とか思い込めても、アメリカの大統領だと、ハードル高いですよね。日本人、アメリカの大統領を選べないし。
H:我々に選挙権ありませんからね。現実の世界征服を狙う場合、日本単独で世界征服は難しいので、外交、同盟をかんがえないといけないので、ちょっと勉強が必要です。
E:勉強というと?
H:属国日本論って、知っていますか?
E:聞いたことはあります。
H:副島隆彦先生の持論なんですが…
E:副島隆彦!? アメリカのアポロ宇宙船が月に行ったっていうのは嘘でハリウッドで撮った映画だとか言ってる、トンデモ本書いてる人ですか?
H:アメリカはディープステートに支配されている、っていう陰謀論者としても有名です。
E:そんな人の説に乗っかっていいんですか?
H:そもそもが世界征服の話だから。
E:それを言っちゃあ、お終いよ、ですね。
H:副島先生はトンデモ発言も多いけど、属国日本論は、ちゃんとした議論です。『決定版 属国 日本論」(2019年)なんて本もありますが、おすすめは1999年に出た本ですが『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』です。古本ですが100円ぐらいで買えますから、騙されたと思って買ってみてください。
E:うーん…
H:副島先生が刺激が強すぎるなら、内田樹先生と白井聡先生との共著『属国民主主義論』(2016年)あたりから。まぁ、本を読むかどうかはともかく、現実には第二次世界大戦の敗戦後の米軍によって占領されて以来、日本は日米安全保障条約と日米地位協定でアメリカの支配下にあるアメリカの属国、もう少し柔らかくと言うとアメリカの「核の傘」の下にある庇護国です。
E:うーん、まぁ、そうかもしれませんねぇ。
H:でも、実はそう思ってなかった時代もあったんです。2010年に中国に抜かれた今でも日本は世界で第3位、数え方によっては第4位の経済大国です。でも私が若い頃には日本は世界第2位の経済大国でした。単に第2位だっただけじゃなくて、アメリカの東アジア研究者のエズラ・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年)という本を出して、日本はアメリカに追いつき追い抜くと思われていたんです。当時の日本人は、日本は外貨でアメリカの全国土を買い占められる、なんてことを大真面目に言っていたんです。
E:そんな時代があったんですね。
H:当時は、自分たちがアメリカの属国だなんて思ってなかったんです。
E:じゃあどう思っていたんですか?
H:番犬を飼っている、っていう感覚だったんだよね。当時は冷戦時代だったから、世界が東西両陣営に分かれて戦っていましたが、日本は憲法第9条があって戦争をしなくてすむので、世界中で金儲けに専念できたわけです。戦争のような3K(きつい、汚い、危険)の汚れ仕事ははした金を渡してアメリカに任せて、自分たちは世界中から天然資源を安く買いあげて高級な工業製品に仕上げて世界中に高値で売りまくる。当時の日本はバブルのカネ余りで、アメリカ軍に払う「思いやり予算」など番犬に自分たちの食べ残しを餌として投げ与えている感覚だったんです。
E:その感覚はないなぁ。
H:今から思い返すと信じられないけど、そんな感じだったんですよ。調子に乗って思い上がって世界中で傍若無人に振るまった結果、アメリカの逆鱗(げきりん)に触れて、アメリカに叩き潰されバブルがはじけて長期不況に入り、アジア諸国にもどんどん追いつかれた挙句の果てが今の日本です。
H:ひどい話ですねぇ、
E:まぁ、ひどい話なんだけど。世界征服メンタルには役に立つ。