世界征服のための「言語学習/言語習得」の奥義を解説!【世界征服ラジオ#2】中田考×えらいてんちょう
ハサン中田考×えらいてんちょうの【世界征服ラジオ】#2
■多言語学習の最善のコツを教えよう!
H:簡単に言うと忘れるより多く覚えることです。ともかく言葉はすぐ忘れてしまうので、忘れるのに負けないだけ詰め込むことです。特に歳をとるとすぐ忘れてしまうので。毎日毎日繰り返し聞くと、忘れてもそのうち覚えてしまいます。それでも忘れるものは忘れていいんです。あまり使わない言葉は使わないんだから覚えなくても困りません。よく使う言葉は自然に覚える。だから続けて繰り返すことが重要です。
E:継続は力なり、ですね。
H:はい、だからDuolingoみたいな1課が10分ほどの短く簡単なものでも毎日続けることが重要で、私も100日以上続けています。
E:たくさんやっていると、毎日続けるのは大変でしょう。
H:私は中国語、韓国語、ロシア語、ヘブライ語、ギリシャ語、トルコ語、インドネシア語、ウクライナ語とDuolingoは全部で8か国語やっているので、毎日全部やるのは時間的に無理なので、毎日だいたい2か国語はやるようにしています。
E:語学好きなんですね。
H:いや、嫌いです。
E:えっ! 嫌いなんですか?
H:はい、語学も語学好きも嫌いです。語学オタクども、使えねぇー、って。私は言葉は少なければ少なければよい、と思っていますので。
E:どういう意味ですか?
H:たとえば、トルコ語って、さっきから何気に言っていますが。みなさん、トルコ系民族の大移動、とか世界史で習ってますよね。西の中国新疆自治区のウイグル人からトルコ共和国のトルコ人まで、彼らの言葉を専門的にはチュルク系諸語といいます。ウイグル人は今は自分の国を持っていませんが、1991年にソビエト連邦が崩壊するとトルコ系の民族はキリギスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンが新しく独立国となりました。国ができると国語を決めないといけません。それでそれらの新しい国はキリギス語、カザフ語、ウズベク語、トルクメン語、アゼルバイジャン語を国語に定めます。
E:聞いたことないのがいっぱいありますねぇ。それ全部おぼえているのですか?
H:これぐらいは覚えています。他にもまだまだたくさんあります。さっき言ったウイグル人もそうですが、他にもたくさんあります。有名なところではタタール語とかバシキール語とか、まだまだたくさんあります。もちろん私も覚えていません。
E:それだけ知っているだけでもすごいよ。
H:いやこんなのみんな無意味なんです。日本の方言を、津軽弁、上州弁、名古屋弁、京言葉、肥後弁、薩摩弁、土佐弁を青森語、群馬語、愛知語、京都語、鹿児島語、熊本語、高知語と呼ぶようなものです。標準語も含めて全部日本語で、日本語にはいろいろな方言があるんです、でいいんですよ。
E:さっき聞いた、いろいろなトルコ民族の言葉もそうなんですか。
H:まぁ、そんなもんです。詳しく言うと、チュルク諸語はオグズ語群、キプチャク語群、カルルク語群に大別され、トルコ語はオグズ語群になります。トルコ語を標準語だとすると、本州の方言はオグズ語群、九州の方言はキプチャク語群、四国の言葉はカルルク語群、ぐらいにゆるくイメージするといいと思います。
E:そう言われると分かるような分らないような。
H:実は日本語も、「広義のトルコ語」なんです。
E:えっ、そうなんですか。
H:語学オタクたちは絶対に認めません。だからダメなんです、語学オタクは。
E:語学オタクがダメかどうかはわかりませんが、日本語がどうしてトルコ語になるんですか?
H:トルコ語がチュルク諸語のオグズ語群に属すると言いましたね。
E:そうだったような・・・
H:逆にチュルク諸語は更に広いトランスユーラシア語族に属します。このトランスユーラシア語族には日流語族、朝鮮語族、モンゴル語族などが属します。
E:日流語族ってなんですか。
H:日本語と沖縄語、ヤマトグチ、ウチナーグチのことです。
E:そういえば、さっき、方言の話で沖縄は入れませんでしたね。
H:そうです。標準語も方言も同じ日本語でいいと思いますが、沖縄の言葉は他の方言とは別格です。実は北海道の話もしませんでした。というのはアイヌ語は、日本語とは全く違う言葉だからです。日本は大雑把に単一民族国家と言ってもいいと思いますが、実際には、沖縄は怪しく、北海道のアイヌは明らかに違います。
E:なるほど、本州、九州、四国が単一民族国家日本だということですね。
H:それも偶然と言えば偶然です。第二次世界大戦後に日本が分割されていて、それが独立していたら、九州語、関西語、東北語などという「国語」が定められ、日本語と並ぶ言語となって日本語族とよばれるようになり、関西国では、大阪弁が標準語「関西語」になって、京言葉や広島弁などが方言と呼ばれるようになっていたかもしれません。
E:なんか嫌ですね。