ユーラシア大陸のすべてを掌握する大帝国の復活計画【世界征服ラジオ#3】中田考×えらいてんちょう |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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ユーラシア大陸のすべてを掌握する大帝国の復活計画【世界征服ラジオ#3】中田考×えらいてんちょう

ハサン中田考×えらいてんちょうの【世界征服ラジオ】#3


世界征服博士のハサン中田考と、革命家のえらいてんちょうがお届けする「世界征服ラジオ」。「世界征服ラジオ」はYoutube、web記事配信、リアルイベント、書籍出版、電子書籍出版、オーディオ出版、note (これから!)、絵本、Tシャツ、グッズ販売などなど・・・世界征服のために超メディアミックスで展開してまいります。世界征服をするために知りたいことなど読者からの質問も随時募集。第3回は「ユーラシア大陸のすべてを掌握する大帝国の復活計画と地政学」。


世界征服において、なぜトルコは重要なのか!? 2022年8月5日、トルコのエルドアン大統領は訪露し、プーチン大統領と会談。

 

■世界征服の素人は「鷹の爪団」を観なさい

 

えらいてんちょう(以下E):今日も始めました世界征服ラジオです。真面目に世界征服をしていこうという趣旨で配信しています。世界征服については素人の私、えらいてんちょうと、

ハサン中田(以下H):世界征服博士ハサン中田がお送りします。

E:前回はトルコが非常に重要、といったお話でしたが、おさえておくべき国、というか、「この国はこうしておかないとまずい」、あるいは「この国はこうしておくと良い」、とか、ですね、そういうことを教えていただけますでしょうか?

H:えーっと、いきなり突っ込みで申し訳ないけれど、そもそも「国単位」で考えてはいけない、なんでも「国」で考えるっていう発想がだめなんですね。

E:なるほど。

H:だって国なんてものがあるのがいけない。国が全部なくなるのが世界征服なんだから、という話なので。

E:なるほど、いきなり過激な意見をいただきました。

H:世界征服で見習うべき先輩の「鷹の爪団」の総統も言っています。

E:「鷹の爪団」? 私、よく存じないのですが?

H:ちゃんと観ないといけません。「鷹の爪団」は、世界征服をたくらむ悪の秘密結社です。世界征服にもいろいろ、テキストというか参考書があります。たくさんあるのですが、取りあえず世界征服の素人がまず観るべきものがあるわけです。

E:世界征服にもランクがあるんですね。

H:もちろんです。それで素人が最初に観るべきなのが動画『鷹の爪団』です。「秘密結社鷹の爪 カウントダウン」とか「秘密結社鷹の爪 NEO」とか「秘密結社鷹の爪 ゴールデン・スペル」とか、いっぱいあります。

E:YouTubeで「鷹の爪団」で検索するといっぱいでてきますね。『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜』なんて劇場版の映画まであるんですね。

H:そうです。「鷹の爪団」の総統といえば、ギャラクターのベルクカッツェとならぶ「悪の秘密結社」界隈のカリスマです。

E:そんな界隈があるんですか?

H:初心者から中級に進んでいくと分かってきます。ともかく、鷹の爪団の総統は「人に地球に優しい世界征服」を旗印にしているのですが、決め台詞は「くだらない国境を取り払い、世界をひとつに結び・・・」から始まるんです。

E:だから国をなくする、と。

H:さきほどトルコ、とおっしゃいましたが、今、トルコと言うと国民国家トルコ共和国(エルドアンは「ちゃんとTürkiyeチュルキュエと言いなさい」、と言っています)ということになっていますが、一世紀前までは大帝国でした。

E:オスマン・トルコですね。

H:私が若い頃は「オスマン・トルコ」と呼ばれていましたが、今は「オスマン・トルコ」とは言わず、「オスマン帝国」と言います。オスマン帝国はトルコ人の国ではなく、多宗教、多民族が共生する帝国だったからです。まぁ、私はオスマン・カリフ国と言っていますけど、今のところ、そう呼んでるのは日本では私だけですね。

E:トルコ人の国じゃなかったんですか。

H:全盛期のオスマン帝国はアフロ・ユーラシアに跨る大帝国でしたからね。今、ロシアとウクライナが争っているクリミア半島も、オスマン帝国の属国クリミア・ハン国でしたから。ウクライナも半分ぐらいはオスマン帝国だったんです。だから、オスマン帝国に戻せばロシアとウクライナの紛争もぜんぶ解決するんですが

E:いや、ロシアもウクライナもどちらも納得しないと思いますが・・・それでいつオスマン帝国は滅びて、今のトルコができたんですか。

H:オスマン帝国の最後はぐちゃぐちゃだったので、明確に線は引きにくいのですが、1922年から24年の間ですね。ですから百周年ということでそろそろ、トルコをつぶして、オスマン帝国を復活させようと言うことになっています。

E:えっ、そうなんですか?! 誰がそんなことしてるんですか?

H:だから、私がやっているんですよ。

E:壮大な話になってきましたが、飛躍があってよくわからないです。もう少し説明してもらえますか?そもそもオスマン帝国っていつ帝国になったんですか?

H:「帝国」自体、ヨーロッパの「エンパイアー」から来ているヨーロッパの概念なので、それをイスラームに無理やりに当て嵌めるので、あまりクリアーには言えないのですが、目安としては、1453年のコンスタンティノープル征服以後は、名実ともに世界帝国になった、と言えるでしょう。

E:コンスタンティノープルって、今のイスタンブールですね?

H:そうそう。コンスタンティノープルはビザンツ帝国、東ローマ帝国の首都だったわけです。

E:西ローマ帝国と東ローマ帝国ですね。どうしてコンスタンティノープルが重要なんですか。

H:首都だったからです。元はローマを首都とする、都市国家ローマから発展した一つのローマ帝国があったわけですが、ローマ帝国が広くなったので、複数の皇帝や副帝を置くようになったんです。そして最初にキリスト教を公認して自らも教徒になったコンスタンティヌス帝が作って遷都した都のことで、コンスタンティヌスが作った都という意味でコンスタンティノープルになったわけです。それでローマ帝国の西方の皇帝が治める部分を西ローマ帝国、東方を東ローマ帝国と呼ぶ慣用になったんです。

E:ロシア革命のレーニンの名前からレニングラード、アレクサンダー大王が作った都市をアレクサンドリアと名付けたようなものですね。

H:そうです。しかし西ローマ帝国の方はゲルマン民族の大移動で、侵入してきたゲルマン民族によって滅ぼされてしまいます。だからそれ以降は、ローマと言えば、東ローマ帝国のことになります。しかしローマ帝国とは言いますが、東ローマは実は言語、文化的にはギリシャなんですよ。西ローマ帝国はラテン語文化圏ですが、東ローマはギリシャ語文化圏です。だからクルアーンにも「ルーム(ローマ)」という言葉は出て来るのですが、アラビア語では「ルーム」とは東ローマ帝国で、「ルーミー(ローマ人)」とはギリシャ人のことを指します。

E:なるほど、コンスタンティノープルを征服してローマ帝国を滅ぼしてオスマン帝国ができたのですね。

H:そうです。コンスタンティノープル征服後、オスマン帝国の君主は、もともとのペルシャ風の称号「パーディシャー帝王)」に加えて、「カイサリ・ルーム」つまり「ローマ皇帝」も名乗るようになるんです。

E:スルタン・カリフ・ローマ皇帝みたいな。

H:そうです。オスマン帝国は1453年にコンスタンティノープルを征服して東ローマ帝国を滅ぼし、ローマ皇帝になりますが、1517年にはエジプトのマムルーク朝を滅ぼし、アッバース朝のカリフ・ムタワッキル3世をカイロからイスタンブールに連れてきます。ムタワッキル3世が1543年に亡くなるとカリフ位はオスマン帝国のスルタンに譲られた、という話になります。だから16世紀にはオスマン帝国の皇帝はイスラーム世界のカリフであると同時にローマ帝国の皇帝でもあったわけです。

E:本当ですか?!

 

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中田考/えらいてんちょう

なかた こう えらいてんちょう

中田考 なかた・こう

イスラーム法学者。一九六〇年生まれ。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。八三年イスラーム入信。ムスリム名ハサン。灘中学校、灘高等学校卒。早稲田大学政治経済学部中退。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院哲学科博士課程修了(哲学博士)。クルアーン釈義免状取得、ハナフィー派法学修学免状取得、在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、山口大学教育学部助教授、同志社大学神学部教授、日本ムスリム協会理事などを歴任。現在、都内要町のイベントバー「エデン」にて若者の人生相談や最新中東事情、さらには萌え系オタク文学などを講義し、二〇代の学生から迷える中高年層まで絶大なる支持を得ている。近著に『イスラームの論理』、『イスラーム入門』、『帝国の復興と啓蒙の未来』、『みんなちがって、みんなダメ~身の程を知る劇薬人生論』、『タリバン 復権の真実』など。

えらいてんちょう(矢内東紀 やうち・はるき)

経営コンサルタント、YouTuber、作家、投資家。19901230日生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。バーや塾の起業の経験から経営コンサルタント、YouTuber、著作家、投資家として活動中。201510月にリサイクルショップを開店し、その後、知人が廃業させる予定だった学習塾を受け継ぎ軌道に乗せる。2016年には地元・池袋でイベントバー「エデン」を開店させ、事業を拡大。その「エデン」が若者の間で人気を呼び、全国展開する。初著書『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)を発売し、ベストセラーに。朝日新聞ほか多くのニュースメディアで取り上げられたことで男性女性から幅広く支持されている。KKベストセラーズから『しょぼ婚のすすめ』『ビジネスで勝つネットゲリラ戦【詳説】』『静止力 地元の名士になりなさい』『「NHKから国民を守る党」の研究』が刊行されている。

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