世界征服とお金【世界征服ラジオ#5】中田考×えらいてんちょう
ハサン中田考×えらいてんちょうの【世界征服ラジオ】#5
世界征服博士のハサン中田考と、革命家のえらいてんちょうがお届けする「世界征服ラジオ」。「世界征服ラジオ」はYoutube、web記事配信、リアルイベント、書籍出版、電子書籍出版、オーディオ出版、note (これから!)、絵本、Tシャツ、グッズ販売などなど・・・世界征服のために超メディアミックスで展開してまいります。世界征服をするために知りたいことなど読者からの質問も随時募集。第5回は「世界征服とお金」。 みんなも大好きな“お金”の真実とは。
◆ハサン中田考の金貨が誕生していた!?
えらてん:はい、今日も始まりました「世界征服ラジオ」。この番組は「真面目に世界征服をしていこう」というチャンネルですね。世界征服素人のえらいてんちょうこと「えらてん」でございます。
中田:世界征服博士ハサン中田です。今日も世界征服の具体的な話をしていきます。
えらてん:毎回挨拶で笑ってしまうんですけど、世界征服について教えていただく番組でございます。今日は「世界征服とお金」。お金の話はみんな気になると思うんですけども、「世界征服するのにいくら必要なのか?」あるいは「今一番お金を持っている人、例えばamazonのジェフ・ベゾスさんとかだと思いますけど、大富豪になれば世界征服できるの?」とかですね。その辺の話や「そもそもお金とはなんぞや?」という話を掘り下げてお聞きしたいと思います。
中田:まずですね、「世界征服はお金になる」という話なんだけど、あまり資本主義的な「儲かる」とか「お金」を前提とした話じゃないんですね。
えらてん:ほうほう。面白そうですね。
中田:そもそもお金の最初の形態が何かっていうのははっきりしないわけですけども。
えらてん:議論がありますね。
中田:例えば「貝貨」といって、タカラガイなどの貝殻が世界各地で貨幣として用いられました。でも我々がイメージするような最初のお金といえば、例えばローマの皇帝の肖像を刻んだソリドゥス金貨とかですよね。
えらてん:そういえば、写真で見たことがある気がしますね。
中田:そうそう。だから世界征服をすると「お金になる」っていうのはそういうことなんです。
えらてん:えっ、そういうことって、どういうことですか?
中田:だから自分が「お金になる」んです。
えらてん:お金が儲かるのではなく、「自分がお金になる」って・・・
中田:だから自分が貨幣になるんですよ。
えらてん:自分がリアルなお金になると。視聴者はぜんぜんそういう話は求めていないと思いますよ。
中田:だって私も作っているんですよ。
えらてん:中田考金貨?
中田:そうです。
えらてん:お金になりたかったんですか?
中田:なりたかったわけじゃないんだけど人が作ってくれるわけですよ。みんなが。
えらてん:みんなに愛されてお金にもなると?
中田:そうそう。まさに世界征服はお金になる。
えらてん:「世界征服をするとお金になる」っていうか「自分がお金になる」。
中田:自分がお金になるっていうですね。
えらてん:金貨になってる!! なんでこうなったんですか?
中田:これはですね、まず金貨を作ろうということです。本当のお金というのは金貨です。金貨こそお金の中のお金であって金貨を作るところから世界征服が始まる。これを作ろうと思って今トルコに発注しているんですよ。これがその見本なんですね。金(きん)って、元々金(きん)の値段があるんですね。これ実は15万円くらいするんですよ。これ見本なんで大きく作ったんだけど、1ディナールっていうイスラームの時代に作られた金貨に合わせると1ディナールあたり今の値段だと大体3万円くらいかな。それで世界を征服していこうという・・・
えらてん:どういうことですか? 話が支離滅裂でよくわからないんですけど。
中田:ドルとかね、あんなただの紙切れじゃなく。「これこそが本当のお金だ」と言って決済とかを全て私のこのハサン金貨で行う。
えらてん:金貨ができればみんな金貨で支払いをするようになるんですか?
中田:そうです。目の前に紙切れと金があって、どっちを取るかといえば、誰でも金を選ぶでしょう? ドルなんかただの紙切れだから誰も見向きをしなくなるわけですよ。そうなれば自分でも作れるわけですよ。もちろん金貨には金自体の値打ちがあるからそれ以下にはならないわけです。それにプラス通貨として出回っているメリットがあります。それを自分で作れるわけ。
えらてん:通貨発行益(シニョリッジ)というやつですね[1]。
中田:そうです。ただの紙切れを軍隊や警察の力で無理やりお金だといって押し付けているわけです。100ドル札の原価は14.2セントと言われています。1万円札の原価は20円程度と言われています。
えらてん:ぼろ儲けですね。
中田:そうです、お金を発行すれば稼ぎ放題です。
えらてん:どうしてそういうことになったんでしょう?
中田:国内だけだと、支配者が力づくで無理やり押し付けることができますが、どんなに威張っている王さまでも自分の力が及ばない外国ではそうもいきません。そこで国際的な決済には、金貨や銀貨が使われてきました。金は希少なので前近代では西欧や東アジアでは銀貨が普通に使われていました。イスラーム世界では金貨と銀貨が両方とも流通していました。
えらてん:でも、貿易で金や銀で決済するとなると、重くて運ぶのがたいへんじゃないですか?
中田:重くて運びにくいだけじゃなくて、金や銀は量が少ないので、商業が盛んになると足りなくなります。だから金貨や銀貨と交換できる約束手形による決済が普及します。
えらてん:約束手形が紙幣の起源なんですね。
中田:そうです。だから紙幣はもともとは金貨や銀貨の代用品だったんです。これを兌換紙幣といいます。
えらてん:「だかんしへい」。あまり聞かない言葉ですね。
中田:今はないからね。今の紙幣は円でもドルでも、金・銀と交換できません。そういう紙幣を金・銀と交換できない紙幣という意味で、「不換紙幣」と呼びます。今は紙幣はみんな不換紙幣なので、兌換紙幣、不換紙幣という言葉を使うこともなくなってしまいました。
えらてん:兌換紙幣っていつまであったんですか?
中田:ブレトン・ウッズ体制って聞いたことありますか?
えらてん:経済学の授業で習った気はしますけど、あまり覚えていません。
中田:アメリカは第二次世界大戦で独り勝ちし、世界の富の半分以上を手にすることになります。そのアメリカが、国際経済を安定させるために、1944年7月にアメリカのブレトン・ウッズで締結された協定で、「1オンスの金と35USドルとの兌換を保証することでアメリカ合衆国ドルを基軸通貨とする固定為替相場制」を決めました。この頃はアメリカ・ドルは兌換紙幣だったわけです。金兌換によってドルは第二次世界大戦後、世界の貿易の基軸通貨になりました。この金兌換が崩れたのが、1971年のいわゆる「ニクソン・ショック」です。これ以後、ドルは金と交換できなくなり、不換紙幣になります。
私はこの頃、まだ小学生でしたが、父が貿易商だったこともあり、それまで1ドル360円だったドルが、どんどん値下がりしていったのをかろうじて覚えています。
えらてん:今、円が145円を超えた、円安だと言って騒いでいますが、昔はそんなに安かったんですね。
注)
[1]政府、中央銀行が発行する補助貨幣(コイン)、紙幣から、その製造費用を控除した発行利益
https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/2294?site_domain=default