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「杉田(水脈)さんは素晴らしい!」と安倍晋三は語った

適菜収【隔週連載】だから何度も言ったのに 第30回

■八百長とオカルトが蔓延る国家

 

 岸田が防衛費の件で必死なのは、防衛費倍増がアメリカの要請だから。シンプルな話。要するに属国。ジャーナリストで白鴎大学名誉教授の後藤謙次も「取材から浮かび上がってくるのは明らかに締め切り時間がありました。つまり締め切りから逆算してこの年末には決着しなきゃいけないと。その締め切りは何なのかと言うと、1月に検討している訪米があると思います。今回の防衛力増強についても岸田さんが最初に口にしたのは今年の5月来日したバイデン大統領、この会談の後の記者会見だったんですね。そのお土産を持ってワシントンに行かねばならない」と指摘していた。

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 香川県議会で政府の「敵基地攻撃能力」の保有検討について、中止を求める意見書の発議案を説明した県議に対し、自民党議員会の石川豊県議が「売国奴」とヤジを飛ばした。こういう連中こそが、国益を損ねる正真正銘の売国奴。属国根性、奴隷根性が染み付いてしまっている日本人が増えた。恥知らず。

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《野田佳彦元首相、安倍晋三元首相への追悼演説はプロレスからインスピレーション》なるネット記事があった。安倍に対する追悼演説を行った立憲民主党の野田は、アントニオ猪木の通夜で演説の発想を得たとのこと。「(安倍は)自民党の同期の中でも一番早く出世の階段を上っていました。キラキラして、間違いなく将来のリーダーになるんだろうなと思っていた一人でしたよ」と呑気な発言。「実は今回、演説で『言葉』というのを16回引用しました。言論の府ですから皆で与野党で再確認しようという思いがあったんです」。

 その「言葉」と「言論の府」の破壊を行ったのが安倍政権ではないか。移民は「外国人材」、戦争に巻き込まれることは「積極的平和主義」、秩序破壊のための実験は「国家戦略特区」、不平等条約のTPPは「国家百年の計」、南スーダンの戦闘は「衝突」……。先制攻撃能力を「反撃能力」などと誤魔化す岸田も同類。野田は立憲民主最高顧問である。政治の場で八百長のプロレスをやるのはやめろ。

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《4か月で宝くじ1等3本、計18億円…5kmの一直線上にある3売り場が話題》という読売新聞のネット記事があった。神奈川県の相模原・愛川地区の宝くじ売り場で高額当選が出たことを紹介。さらには「幸運のライン」などと見出しを打ち、《億万長者を夢見る人たちは「年末もこの近辺の売り場から1等が出るのではないか」と、大きな期待を寄せている》などと報じている。頭がくらくら。猿でもわかる話だが、どこで買おうが、宝くじの当選確率は同じ。オカルトもいいところ。自民党カルト政権を支えてきたのも読売新聞である。

 

文:適菜収

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

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第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

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第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

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第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

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第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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