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世界がもし100人の三浦瑠麗だったら【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第31回


「学び直し」がブームになって久しい。しかし、いったい皆何を学んでいるのか。歴史を学ぶとはどういうことなのか。見たいものを見て知った気になることが学びではないだろう。時に学びとは自己反省を迫るものである。日々のニュースには、自己認識に固執し、それすら気づかない人々が数多登場する。これはマスコミも同様。「学ばない人たち」の事例である。最新刊『日本をダメにした Bの研究を刊行し、売国政治屋・マスコミをのさばらせた近代大衆社会の末路を鋭く分析した適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第31回。


自称国際政治学者・三浦瑠麗

 

■歴史に学ばない国は滅びる

 

 古代ローマの人口は約100万人。奇跡的な上下水道が整備され、都市は横に広がらず、高層ビルが増えた。貸しアパートは、昭和40年代のアメリカなどの少数の都市にしかない高さだった。古代ローマの建築技術やその他の文化にやっと西欧が追いつき始めたのが19世紀の終わり頃。ニーチェは西欧近代の思考は、2500年前の仏教誕生の段階まで到達していないという意味合いのことを言っているが、歴史の勉強をしないで、近代200年のスパンだけで物事を考えているとバカになる。

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 安倍晋三の慰霊碑をつくるとか、くだらない話があるらしい。どうしてもつくるなら石碑に刻んでほしい。「過ちは二度と繰り返しません」と。我々は歴史に学ばなければならない。

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杉田水脈

 

 杉田水脈が保育所の待機児童問題に関し、産経新聞のコラムでデマを流したことについて前回書いたが、杉田自身が「事実として確認できず、不用意な発言だった」と国会で認めたにもかかわらず、いつものデマ仲間が、意味不明の杉田擁護をはじめた。加藤清隆は「杉田さん、あなたの後ろには幾千万もの熱烈な支持者が付いております。心おきなくご活躍下さい。我々はあなたを最後まで決して見捨てません」とツイート。「幾千万もの熱烈な支持者」がついているなら、比例上位に押し込んでくれる人が死んでも、選挙区から出馬して圧勝ですね。アホくさ。しかし、ネトウヨ「文化人」って小学生レベルの算数も出来ないんですかね? しかも加藤は時事通信出身。謎すぎる。

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 元航空幕僚長の田母神俊雄が「LGBTには生産性がないと4年前に月刊誌で言った杉田水脈議員が今年になってまた国会で謝罪させられた。性的多様性を認めない差別発言だとか。これはリベラルによる保守派の言論弾圧だ。多様性に反対する言論の自由を認めてこそ本当の多様性ではないか。政府が頑張らないと言論の自由が失われていく」とツイート。頭悪すぎ。杉田は「保守派」ではなくて底辺のネトウヨ。言論の自由は守られるべきだが、公道にクソをまき散らす自由はない。

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 自称国際政治学者の三浦瑠麗が統一教会による霊感商法の被害について「あるいはそれを競馬でスったって同じじゃないですか」と言い放ったことについて、私は日刊ゲンダイの連載コラム「それでもバカとは戦え」で「1匹の瑠麗を見つけたら100匹の瑠麗がいると思え」という格言をつくったほうがいいと書いた。公道にクソを垂れ流すから、社会にウジが湧くのである。

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『世界がもし100人の村だったら』という本が昔あったが、『世界がもし100人の瑠麗だったら』という企画はどうですかね。瑠麗が「市民が当事者意識を持つためにも徴兵制は必要」と発言した結果、瑠麗が徴兵されたり。

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 日本の衰退にメディアが拍車をかけている。ところで日刊ゲンダイって産経新聞より売れているんですね。この先、大手5紙は、朝日、読売、毎日、日経、日刊ゲンダイになるかもしれない。

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『日本をダメにした 新B層の研究』

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

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第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

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第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

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第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

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第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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