ワカメちゃんが教えてくれる、フランス流人生の楽しみ方
ワカメちゃんのモデルとなった、長谷川たかこ新刊『ワカメちゃんがパリに住み続ける理由』発売記念インタビュー
――なるほど。確かに日本には、人の目の集合体である「世間体」という言葉がありますが、それがないということですね。その自由を獲得する一方で、長谷川さん自身、日本がいいなと思う点について感じる点はありますか。
東京のエネルギー、変化の早さ。パリに戻ったとき、娘が「田舎に来たみたい」と言っていました。日本人の国民性、丁寧さ、優しさ……。
日本にいたとき、あまり国内旅行しなかったので、子供と行くようになって地方の美しさに見とれ、マニュアル化していない親切に感激します。
――あのお茶の間のアイドル、ワカメちゃんがフランスで30年も暮らしているのは衝撃の事実だと思いました。今はどんな心境でしょうか。
日本にいる日本人では100%なく、フランスでは「移民」で宙ぶらりんな状態ですね。
――宙ぶらりん! 不安や心細い、などと感じることはございませんか?
不安は全然ありません。逆に面白いし、強みでもあると思います。不満は、選挙に投票権がないこと……日本は二重国籍を認めていないので。
あ、サッカーの日本対フランス戦で、どっちを応援すべきか、どっちが勝ったときに「勝った!」って言えばいいんだろう、とかちょっと悩みます。
不安を強いていえば、もし戦争が起こって、捕虜収容所に入れられるとき、私はフランス国籍じゃないから家族や友達と別々の収容所に入れられるのはいやだ、と言ったら「想像力がありすぎ」とあきれられました。