奥多摩のシンボルと山上に浮かぶ船
御前山、三頭山とともに奥多摩三山と称される
大岳山(東京都)
大岳山(おおだけさん)は奥多摩のシンボルとして親しまれている山だ。遠くからでもそれとひと目でわかる山容が特徴で、ああ、あそこのてっぺんに立ったんだなあ、と後日思いを馳せるのも一興となる。
霊山・御岳山(みたけさん)を経て辿るコースは、体力を温存するためケーブルカーを利用して御岳平へ。御岳の集落を抜けいくつかの道を分けるが、綾広(あやひろ)ノ滝を望むコースで芥場峠を目指す。芥場峠からモチノ木坂の登りは露岩もあり、少々険しくなるので慎重に登ろう。やがて営業小屋である大岳山荘に着く。言い伝えのある石とイチイの木を眺めたら、ひと登りで山頂だ。下山は縦走路もあるが、初めての人は往路を下ろう。
●参考コースタイム
ケーブル御岳山駅(20分)御嶽神社(1時間)芥場峠(40分)大岳山荘(20分)大岳山(40分)芥場峠(45分)奥の院(25分)御嶽神社(15分)御岳山駅
大きな船の長いデッキを歩く
荒船山(群馬県・長野県)
「箱を置いたような、およそ“山”という概念に収まらない形のアラフネヤマは、小学生だったぼくにも強い印象を残し、それ以後、忘れることがなかった。」(日本百低山より)
荒船山の山容は、いわゆる山、という容貌とは異なり、山上に浮かぶ船のような趣だ。台地の北端が垂直の岩壁になっていて、それを船の船尾に見立て、艫岩と呼ばれている。
登山道は、荒船不動から星尾峠を経て荒船山最高点である行塚山(ぎょうつかやま)へ。そこから長い船のデッキのような台地を歩き、船尾の艫岩に至る。絶壁の上だけに展望はすばらしい。噴煙をあげる浅間山が迫力だ。下山は岩壁に沿って内山峠へと下る。
●参考コースタイム
初谷(1時間)荒船不動(40分)星尾峠(30分)行塚山(30分)艫岩(1時間)内山峠(1時間10分)物見岩(30分)神津牧場(1時間10分)市野萱