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転職の面接であがってしまいます。自分の良さを伝えるにはどうすればいいでしょう?

角田陽一郎×加藤昌治【あんちょこ通信】第12回


皆さまこんにちは。「あんちょこ通信」編集長のカイノショウです。あんちょこ通信では、ビジネスパーソンのお悩みを解決する『仕事人生あんちょこ辞典』著者の角田陽一郎、加藤昌治が、みなさまから届いた「仕事人生のお悩み」にパシパシ答えていきます。お悩み相談は、定期的にYouTubeでも「お悩み“あんちょこライブ相談会」として配信しています。そちらもぜひご覧ください!さっそくお悩みを紹介しましょう。


写真:PIXTA

 

30代 女性 会社員
「いまの職場は働きやすいのですが、仕事の内容も緩く、このままで自分の仕事はいいのだろうかと考えて5年目に入った現在、転職活動中です。1社目の面接を終えたのですが、全然うまくできませんでした。コミュニケーション能力が高いほうではないので、入社してから落胆されないように面接も自然体でいこうと思ったのですが、逆に全然自分の良さを出せませんでした。転職の面接で、どうすれば自分のいいところを伝えることができるでしょうか?」

 

 転職でも新卒でも採用面接って、やり直しが利かないし相手は役員クラスの人たちだったりしてあがってしまって、普段通りの受け答えができないことが多いですよね。

 もしかしたら人生を変えるかもしれないこの大事な時間に、どうすれば本来の自分を見せることができるのでしょうか?

 

 ■まずはカードを揃えよう

 

角田:転職の面接でどうやって自分のいいところを伝えるか、というご質問ですね。そもそもの話として、この質問者の方は「仕事の内容が緩い」から転職したいということだけど、それの何がダメなのかな?僕なんかは「緩いの、いいじゃん」と思うけれど(笑)。やりがいがないのが嫌ってこと?

加藤:以前、他社の人と話している時に「2030代の人たちは、とにかく〝成長〟が好きです」「自分が成長できるかどうかで会社を決める傾向が強いですよね」という話題が出たことがあって、ガツガツ働きたいかどうかとは別に、自分が成長できないことへの焦りみたいなものは若い世代に共通してあるのかもね。

角田:なるほど。自分が成長できない感じの仕事はたしかに嫌だね。質問に戻ると、僕も今でも面接を受けることがあるけれど、この歳になっても面接で何が正解かよく分からないです。

加藤:自分の話が相手にどれぐらい評価されて、さらに賛同してもらえるかは相手次第だから、正解はないわけだけれど、話す側が後悔しないということがまずは大事なんじゃないかな。

 それで云うと、この質問の方は実際に後悔しているわけだけど、面接に臨む上での「準備」がどうだったのかなは気になるな。

角田:面接の準備ってしたことないけれど、何をするの?

加藤:いんや、角田くんも「したことない」ということはないでしょう? 「ああ、それか」と思うはずだよ。

 大きく分けると「話題のカードを揃える」ことと「そのカードをどう使うか」の二つの準備があると思うけれど、まず手札を揃えるのが先だよね。

 これは想像だけど、質問者の方は十分なカードを揃えていったのかな? 面接時間は限られているから、全部出せるわけじゃないにせよ。

角田:逆に、カードはたくさん用意しておいたけれど、「あれも言えなかった、これも言えなかった」みたいな後悔も結構ありそうだね。

加藤:それはまだ「いい後悔」だけど、予想していなかったことを聞かれて頭が真っ白になったり、しどろもどろになるのは本当に嫌だよね。

 「あなたのいいところを三つ教えてください」とか、「あなたが現職でなし得たことを教えてください」みたい質問が、一般論的な質問としてあるじゃない。それに答える時に、例えば七つくらいカードがあってその場で「これと、これと、これ」みたいに三つ選んで出すことができれば、本人と相手とのマッチング精度が上がるはずだよね。

 けれども、三つしか揃えていなかったら、「これと、あれと……、あれ、もう一つなんだっけ? わー!」みたいに頭が真っ白になってしまう。だからカードは余分に揃えておいたほうがいいんだと思うわけよ。

角田:「カードが足りていない問題」はたしかにあるけれど、僕の場合はもう一つの「カードをどう使うか」で後々「失敗した」と思うことが多いな。案件を相談してきた企業に「あれもやってます、これもやってます」みたいにプレゼンをして、終わってから「この人は忙しいみたいだから、うちの仕事に腰を据えて取り組んでもらえなさそうだな」と思われてないか後悔してみたりさ。自分の出そうとしているカードが、その会社にとって有効なカードかどうか、分からないよなぁ……。

加藤:かとうもあまり偉そうなことは云えないけれど、喋りながらお相手の顔、雰囲気を見て次のカードを出せるようになれるといいよね。逆に、はじめから自分の中に決まった台本があって、相手が何を返そうと「1枚目はこれ、2枚目はこれ……」とカードを切っていると、一方的な語りで終わっちゃうのかもね。  

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角田 陽一郎/加藤 昌治

かくた よういちろう かとう まさはる

角田 陽一郎(かくた・よういちろう)

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者 

千葉県出身。千葉県立千葉髙等学校、東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社を設立(取締役 ~2013年)。2016年TBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、「ACC CMフェスティバル」インタラクティブ部門審査員(2014、15年)、SBP高校生交流フェア審査員(2017年~)、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院にて文化資源学を研究中。著書に『読書をプロデュース』『最速で身につく世界史』『最速で身につく日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』『人生が変わるすごい地理』『運の技術』『出世のススメ』、小説『AP』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。好きな音楽は、ムーンライダーズ、岡村靖幸、ガガガSP。好きな作家は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、司馬遼太郎。好きな画家は、サルバドール・ダリ。

                                                             

加藤 昌治(かとう・まさはる)

作家/広告会社勤務

大阪府出身。千葉県立千葉髙等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス、2003年)、『発想法の使い方』(日経文庫、2015年)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス、2017年)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス、2017年)、ナビゲーターを務めた『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社、2012年)がある。           

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