「モテない理由はあなたがキモチワルイから」二村ヒトシの直言を聞け
馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性
◆成功者の中に不快な顔つきをしている人間がいるのはなぜか?
カネに不自由しているわけではないのに、国会議員とか企業の経営者とかの成功者の中には、何でこんな不快な汚い顔つきをしていて平気なのか? と不思議になるような人物をときどき見かける。それは、彼らの近くにいる女性(例えば妻とか)の内なる男性像と彼らがまったく合致していないということなのだ。どういうことか?
通常は、妻にとっては、夫は自分の中のもうひとりの男性形の自分なのだから、みっともないままに放置などできない。夫が、彼女の心の中の自分自身と似た男性像に近いのならば、夫はもうひとりの自分だ。自分をみっともないまま放置などできないではないか。それを放置しているということは、その夫は妻の内面の中では存在していないということなのだろう。
ともかく、このようなことを私に考えさせた二村ヒトシの『すべてはモテるためである』は、洞察と教えに非常に富んでいる。そして最後に、二村はモテたい男性たちに告げる。「大人だということは『もうそんなに長い時間は残ってないんだからなるべく他人を幸せにしよう』と考えることだ」(211頁)と。
『すべてはモテるためである』は、男性ばかりでなく女性が読んでも非常に有益だ。いくら女性を馬鹿にしても、女性から嫌われる人生は男性にとっては寂しい(と私の中の男性が言う)。性差別社会に毒されて現実認識が歪んでいる類の日本の男性のみなさん、モテるためにがんばってください。みんなで幸せになりましょう。
文:藤森かよこ
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