人生相談崩壊! 放火魔なのに異世界転生!【たらい回し人生相談】
【たらい回し人生相談】〜ヤバいやつがもっとヤバいやつに訊く〜 連載番外編 第9回
【圧力による掲載見送りのお知らせ】
たらい回し人生相談を楽しみにしていただいている読者の皆様へ。
まずは閲覧をありがとうございます。
今回更新分の「たらい回し人生相談」について、予告通りの更新ができない旨をお知らせ申し上げます。今回の更新予定では「大司教まさかの敗北?! 社会の深海魚たち、ディズニー行って窒息(仮題)」をお送りする予定でしたが、関係者からの強い掲載延期要請を受け、掲載見送りとさせていただきます。
読者の皆様、ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
つきましては、今回は番外編として、執筆者のミスター発達先生が即興で製作いたしました創作小説『放火魔Nくん異世界転生! 〜なんでぼくのスキルが「放火」なの?!~』をお送りします。
また、イスラーム学者の中田考先生にコメントをお願いし、内容のイスラーム的意義について解説していただいております。
今後ともたらい回し人生相談をよろしくお願いいたします。
(編集部)
筆者コメント:「たらい回し人生相談」は毎週日曜夜更新ですが、しかるに掲載見送りの決定事項が知らされたのは木曜の五時です。筆者もきっちりしたタイプじゃないので、あまりうるさい事は言いたくないんですが、ちょっとひどいんじゃないかな?
とはいえ更新なしでは稿料も出ない。原稿料がないとお米も買えません。大司教に「何でもいいんですね?」と念押ししたら「なんでもいいです」とのことなので、代原(注1)を急遽作成いたしました。読まなくていいです。よろしくお願いします。
【本編】
※以下作品は純然たるフィクションです。作中の人物などに「たらい回し人生相談」の本編と共通する呼称、描写が見られますが、実在の人物とは関係ありません。また創作物の中での登場人物の行動は、それを肯定したり推奨するものではないこともご承知のうえでお読みください。
「う~~。逃げろ逃げろ!」
今、脱出径路を求めて全力疾走している僕は就職活動中のごく一般的な男の子。強いて違うところをあげるとすれば放火に興味があるってとこかナ――。名前はN。
そんなわけで警備員から猛ダッシュで逃げているのだ。
「おいコラ待てやオラァ!」
二人組の警備員が罵声をあげながら猛ダッシュで僕に追いすがる。警備会社はいろいろあるけどア○○ックは来るのが早いんだよね……。やれやれ。ちょっと廃屋に不法侵入したぐらいでそんなに怒らなくていいのにナ。
おっと、誤解しないでほしいんだけど、べつに放火しようとしたわけじゃないんだよ。燃えそうな廃材は沢山あったけど、火なんかつけてない。だって今日は下見だもん。
「おいコラ……待て……」
警備員たちは息があがってきたのが分かる。こう見えてスポーツもやってるから体力はあるんだよね。警備員さんも鍛えてはいるだろうけど、若さの差でスプリントならこっちが上さ!
逃げ切りの兆しが見えてきた。今捕まるとちょっとまずいんだよね。せっかく大司教に頼んでSさんにお金を借り、カードの支払いも返したっていうのに、その苦労も無になってしまう。就職にも響くかもしれない。
僕はメロスばりの決意とダッシュで逃げ続け、郊外の国道ぞいにさしかかった。現在の時間帯は車は少ないから、思いっきり横断してしまえば逃げ切りの決め手になる。そう判断し、僕は目をつぶって国道に飛び込んだ! こういう合理的なリスクテイクができる人間が今の日本には必要なんだよな。それがわかっていない奴が多いから就職できなくて困る。
「プップー!!!!」
ふとクラクションの音が響く!
大丈夫、クラクションが鳴ったからってぶつかるとはかぎらない。もし僕が田舎道の鹿かなにかだったら、音にビビって動けなくなってそのまま轢かれてしまうだろうが、どっこい僕は人間だ。かまわず足を動かし続け、車の前を華麗に通り過ぎる。
そのとき僕は忘れていたことがあった。
中央分離帯を走り抜けた時にちょっと気づくべきだったよな。反対車線ってものがあるってことにさ。反対側からやってきたのはデコトラ、最近は減ったよね! 不景気を吹き飛ばすような装飾とともにそれはやってきた。車両の前面には三国志の名将、関羽が描かれていた。
「げえっ! 関羽!」
僕はトラックに激突、関羽と幸せなキスをし、そこで意識が途絶えた――
注1:代替原稿または代理原稿の略語。ようするに「こういうとき」のための原稿のこと。
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ところでイラスト代は当然出るんですよね?
(by ミスター発達)