「いい作品を作り続ける土壌を守るため」インボイスに反対する声優たちが見た現実 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「いい作品を作り続ける土壌を守るため」インボイスに反対する声優たちが見た現実

 

Qこれからはどのような活動を予定されていきますか?

甲斐田:VOICTION単体ではないですが、様々な職種の方を対象にしたチラシを作り、みんなが自分でダウンロードして配れるようにしたいです。賛同者がどこにいても簡単に参加できるようなツールを用意したいですね。メディア関連では、三石琴乃さんが声を入れてくれた「STOP!インボイス!」を訴える動画の新しいバージョンを出す予定になっています。「それから、「インボイス制度説明アニメ」を作りました。VOICTIONらしい形で制度のことを知ってもらうためのアニメです。 VOICTIONを知らない人も含め多くの人に見てもらいたいと思います。」

 

Q.最後にVOICTIONの活動を知らない人へ何かメッセージをお願いします。

西森:この活動をするようになってから、別世界と思っていた政治が、本当は自分たちの生活と密接に関わっているのだとわかりました。日本は表立って発言する人が少ないけど、その結果現在の状態を招いてしまったと思います。今は様々なことが閣議決定で決まってしまうし、不況も20年30年続いています。それは僕らが政治を遠ざけていたからだと思います。政治は自分たちの生活に関わっているし、声も上げていいんだという事に皆が気づいてほしいです。

咲野:みんな政治の現場へ行ってみたらいいんですよ。永田町でも町役場でも、そこには人しかいません。人対人なので、萎縮せず働きかけをすればいいと思います。民主主義に完成形は無い、どこまでいっても未成熟だからどうしたって不備はあるんです。だから泣き寝入りしないで、常に疑問を持って行動していきましょう!

甲斐田:まずはぜひ国会中継を見てみてほしいです。見たらたくさんの疑問が浮かぶと思いますし、実際に議員さんに会いに行きたくなるんじゃないかな。議員さんと話すのは本当に面白いので、ぜひ怖がらずに会いに行ってみてほしいですね。

 お三方に話を聞いて感じたのはとにかく皆さん明るいことが印象的だった。声優活動の合間に陳情へ行き、自分の考えを初対面の人へ伝える。一回やるだけでも精神的に疲れるのに、昨年の秋からずっと続けている。こちらの質問にも明るく答えてくれた。皆さん全員強い意思があるからこそ明るくいられるのだろう。

 ある国会議員が「インボイスを止めるのは99%不可能」と言っていたらしい。1%でも止められる可能性があるならば、彼らは働き続けるだろう。インボイスは他人事ではなく自分のこと。フリーランスや中小零細企業だけが関係あるのではなく、サラリーマンを含めた全国民に関係があるから。

 

※筆者注:アニメージュ2月号で「インボイス制度」の特集が組まれた。アニメーターの西位輝実さん、声優の甲斐田裕子さん、税理士の神田知宜さんによる座談会の記事が掲載され、アニメファンの間で話題になった。

 

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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