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早大大隈講堂•慶大図書館旧館も手がけていた!名門ゼネコンで起きている「下請けいじめ」の他人事ならぬ実態とは

全国のビジネスマンよ!「泣き寝入りはするな」ブラック企業との闘い方

 

■渦中の戸田守道副社長を直撃取材

 さる2月20日、朝、記者が社用車で出勤する、渦中の戸田守道副社長を取材した。

 

 

−−ゲナノ社製・空気清浄機の事業は、現在どうなっているのか?

「わたしは担当ではないので、まったく知らない。何も知らない」

−−本当に何も知らないんですか?

「本当に知らない」

−−この件に関して、戸田副社長は、まったくタッチしていないということなのか?

「まったくタッチしていない」

−−でも、もし契約トラブルがあったりしたら、それは会社の責任になるんじゃないですか?

「わたしは担当ではなかったのでタッチしていない」

−−そんなことがまかり通るんですか?

「通ります。当然ですよ。分担が違うので」

−−では、戸田建設の経営陣の中では、空気清浄機の事業は、誰が担当しているんですか?

「知りません。知りませんというか、あなたに言う必要はありません」

−−きちんと説明してくださいよ。こちらは取材できている。

「あなたに説明する必要はありません」

−−戸田副社長は、この件についてまったく対応しないということですか?

「対応しません」

−−知らないということですか?

「知りません。わたしは対応しません」

−−販売した病院に対しても何も責任を持たないのか?

「持ちません。わたしは、病院関係の担当ではありませんから」

−−戸田建設の経営幹部として、そんな対応でいいんですか?

「もちろん。だって、わたしは、担当ではないんだから。上場企業ですから、それぞれ担当に分かれて、責任があるんだから、わたしは知らないです」

−−では、御社の広報部に対して、正式に取材申請をすれば、本件についての取材に応じていただけますか?

「知りません。わたしは、広報の担当ではありませんから。広報の担当ではありませんから、何も言えません。会社というのは、当然、責任分担がありますから。わたしはゲナノの空気清浄機の担当ではないし、広報の担当でもない」

−−ゲナノの空気清浄機の販売に関しては、まったく把握していないということですか?

「そうです」

−−でも、ゲナノの空気清浄機は、御社に設置されているのではないでしょうか?

「ありますよ」

−−先ほどから、言っていることが矛盾していませんか? ご存知なんですよね?

「知識としては知っています。知ってはいるけれど、ビジネスとしては、わたしの担当ではないということです」

−−ゲナノの空気清浄機の販売をめぐって、もしも契約のトラブルや不正があったら、それはすべて担当者の責任ということですか?

「そうですね。分担が分かれていますから」

−−契約のトラブルなどがあったら、誰が責任を取るのか?

「上場企業だし、それなりの規模の会社ですから、当然です。それは当たり前のことじゃないですか。わたしは、執行役員ですから、分担して責任を負っています」

−−ゲナノの空気清浄機を販売する事業の責任者は、戸田副社長のほかに執行役員、取締役の中にいるということですね?

「戸田建設が扱っていたんだとしたら、それは当然(担当者は)いるんでしょうね」

−−わかりました。では、御社の広報部を通して、再度、その責任者の方に取材を申し込みます。

「いなければ仕方がないということですね。わたしは担当していないから分からない。それで、いいですか」

−−ありがとうございました。戸田副社長は、黒い色のクラウンの後部座席に乗り込み、その場から逃げるように立ち去るのだった。

 

 

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CONTENTS

はじめに◉「社会という荒野を生きる。」とは何か

第一章◉なぜ安倍政権の暴走は止まらないのか

    ——対米ケツ舐め路線と愚昧な歴史観

◉天皇皇后両陛下がパラオ訪問に際し、安倍総理に伝えたかったこと

◉安倍総理が語る「国際協調主義に基づく積極的平和主義」の意味とは

◉戦後70年「安倍談話」に通じる中曽根元総理の無知蒙昧ぶりとは

◉盛り上がった安保法制反対デモと、議会制民主主義のゆくえ

◉安保法案の強行採決に見られる日本の民主主義の問題点とは

第二章◉脆弱になっていく国家・日本の構造とは

    ———感情が劣化したクソ保守とクソ左翼の大罪

◉なぜ三島由紀夫は愛国教育を徹底的に否定したのか

◉「沖縄本土復帰」の本当の常識と「沖縄基地問題」の本質とは

◉大震災後の復興過程で露わになった日本社会の「排除の構造」とは

◉除染土処理の「中間貯蔵施設」建設計画はすでに破綻している!? 

◉なぜ自民党はテレ朝・NHKの放送番組に突然介入してきたのか

◉憲法学の大家・奥平康弘先生から学んだ「憲法とは何か」について

◉広島・長崎原爆投下から70年と川内原発再稼働の偶然性とは

第三章◉空洞化する社会で人はどこへ行くのか

    ———中間集団の消失と承認欲求のゆくえ

◉ISILのような非合法テロ組織に、なぜ世界中から人が集まるのか

◉ドローン少年の逮捕とネット配信に夢中になる人たちの欲望とは

◉元少年Aの手記『絶歌』の出版はいったい何が問題なのか

◉地下鉄サリン事件から20年。1995年が暗示していたこととは

◉「お猿のシャーロット騒動」と日本のインチキ忖度社会とは

◉戦後日本を代表する思想家・鶴見俊輔氏が残したものとは何か

第四章◉「明日は我が身」の時代を生き残るために

    ———性愛、仕事、教育で何を守り、何を捨てるのか

◉なぜ日本では夫婦のセックスレスが増加し続けているのか

◉労働者を使い尽くすブラック企業はなぜなくならないのか

◉「仕事よりプライベート優先」の新入社員が増えたのはなぜか

◉「すべての女性が輝く社会づくり」は政府の暇つぶし政策なのか

◉ISILの処刑映像をあなたは子供に見せられますか

◉青山学院大学学園祭の「ヘビメタ禁止」騒動は何が問題だったのか

◉「ベビーカーでの電車内乗車」に、なぜ女性は男性より厳しい目を向けるのか

以上「目次」より

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大崎量平

おおさき りょうへい

記者・編集者

学習院大学文学部哲学科卒業。大学卒業後、医療系出版社、編集プロダクション、フリーランスの編集記者、KKベストセラーズ「月刊CIRCUS」編集部、徳間書店「週刊アサヒ芸能」記者、家電業界誌、光文社「FLASH」記者を経て、2018年より講談社「週刊現代」記者として活動。芸能・スポーツからビジネス、社会評論に関する書籍の構成ライターも務める。

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