再エネ賦課金で事実上の増税?「インボイス問題」が放置されているのはなぜか
大手メディアが全く取り上げない非難殺到のインボイス制度。その真相とは
■『インボイス制度についてよくわからない』という声が多数・・・
この記者会見に先だって、インボイス問題検討・超党派議員連盟による第4回の公開ヒヤリングが行われ、全国青年税理士連盟による税理士から見た現場側からの声と視点、インボイス制度の導入に伴うFIT制度(再エネ固定価格買取)運用上の対応について国税庁、財務省、資源エネルギー庁から担当者を呼んで質疑応答が行われた。
全国青年税理士連盟の税理士からインボイスの説明をしたときに顧客からどんな反応があったのかを説明。
「インボイス制度説明した時の反応、色々言われています。課税事業者さんは、発行することについて抵抗は特にないが、個人情報の問題があり、公表は懸念されてるので躊躇っている」
ちなみにインボイスに登録をすると、登録番号が付与される。事業者を公表する国税庁のWebサイトで番号を検索すると登録した事業主の本名などが明らかになる上、データとして一括ダウンロードできてしまう。前回の公開ヒヤリングで個人情報漏洩だと指摘されたが、現在まで改善はされていない。
他にも現場からはこんな意見が出ているそうだ。
「顧客から『制度についてよくわからない』という声も多いです。実際どうしたらいいですか?と聞かれます。しかし税理士は決める立場にないのでご自分で決めてとしか言えません。決め手の情報がなく困っています」
消費税自体も複雑な制度だが、インボイスもわかりにくく判断が難しい事業者もいるという。実際に書類を処理する税理士も事務コストも上がるし、仕事量も増えてしまって処理しきれなくなるという。
「インボイスが導入されると今の作業よりも3倍に増えます。税の計算するのが税理士の仕事だという意見もありますが、お客様からしっかりとした資料をもらわないと作業できません。そのためにはお客様にも(インボイスを)理解してもらう必要があります。だからお客様に説明していますが、『そこまでやらないといけないなら税理士を替える』と言われるような状況です」
このように税務の現場からも混乱ぶりが明らかになった。作業が増えた分顧問料の値上げをしたくても言いだせないという。
それでも国税庁は「消費税に限らず、経理上仕訳をする際に税務上取り扱いについては、意識しながら仕分けをしていただくのは共通だと考えています」とつれない返事。財務省も同じような対応を繰り返す。
「直ちに免税が排除されないように“十分な”経過措置が準備されています」
「独禁法に基づく書面の通知などで適切に対処します。インボイス対応の補助対象拡大などをしています」
こうした答えが出てくるだけであった。