新幹線の礎?「弾丸列車計画」
戦前にも計画されていた新幹線? 夢のような高速鉄道!
当時の東海道本線、山陽本線には、まだ輸送需要に応える余力があり、のちに東海道新幹線の建設が開始されたときのような差し迫った状況、建設の必要性はなかったという実情もあったようです。
弾丸列車計画の中止によって、掘削が開始されたトンネル(新丹那トンネル・日本坂トンネル・東山トンネル)は未完成のまま放置されてしまいますが、この工事は四半世紀もの時間を経て、新たな高速鉄道の建設に役立つことになります。
そうです、途中まで掘り進められていたトンネルが、東海道新幹線に転用されたのです。
また、用地買収が終わっていた区間には、いち早く試運転を行うための線路が建設され、これは建設工事と新幹線の車両開発を同時に進めることを可能にしました。東海道本線在来線の丹那トンネルは、完成に13年あまりの工期を要しましたが、並行する東海道新幹線の新丹那トンネルは、わずか4年4カ月で竣工しています。
弾丸列車計画そのものは実現しませんでしたが、東海道新幹線の建設にはそれがしっかりと役立ったのです。
『新幹線はすごい』より
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