地域の伝統を生かしたオンリーワンの新幹線車両
和の特性を活かした!九州新幹線800系・新800系
世界に誇れる技術の集大成といわれる新幹線。
そんな「すごい!」を集めた新刊『新幹線はすごい』。
今回はそんな「すごい!」のひとつ、新幹線車両をご紹介します。
800系は、平成16(2004)年3月の九州新幹線開業に合わせて誕生した、九州新幹線の専用車両です。
700系をベースに製造され、急勾配に対応したオール電動車の6両編成で、すべて普通車。地域色と個性的なデザインが特徴で、水戸岡鋭治氏、ドーンデザイン研究所がエクステリア・インテリアデザインを担当しました。
外観で印象的なのは、前照灯が縦方向に並んだ愛らしい「タテ目」です。「いまだかつて見たことがないもの」が800系のデザインコンセプトのひとつ。
“子どももすぐに覚える”ユニークな顔ですが、じつはこれ、700系で検討された設計案を描き直して生まれたものです。
車内は2+2配列のゆったりとした座席が並び、モケットは日本の伝統色の漆色、瑠璃色など西陣織風を採用。背板、肘掛け、テーブル、妻壁、窓のロールブラインド、手摺りと多くに木材が使われ、ロールブラインドなどには九州産の山桜を使用。洗面所には八代産の縄暖簾が掛けられており、九州の地域の自然素材、「和」を生かした豊かな空間になっています。
- 1
- 2