芸人のキャリアは、必ずしもMCを頂点とした“ピラミッド型”とは限らない
片桐仁さん30日毎日連載 Q11.芸能人としての将来に不安を感じることはありますか?
番組のMCはもちろん一つの成功例だけど……
芸能人としての将来、不安しかないですよ! 毎日が必死です(笑)。ラーメンズとしてライブツアーをやらせてもらうようになって天狗になった時期もありましたけど(苦笑)、今はもう、不安しかないです、正直な話。
でも、「しょうがないな」って思うようにしています。ちょっと前までは「いつまでこの仕事が続くんだろう?」と不安に感じることもありましたけど、今では「いつまでも今の仕事を継続させていくためにはどうしたらいいか?」と考えるようになりましたね。
それって意外と単純なことで、「辞めないこと」なんですよね。辞めたら終わりですから! 芸人としての活動だけじゃ暮らしていけない後輩からも相談されるんですけど、「芸人の収入だけじゃ食べていけないのかもしれないけど、今の仕事を辞めない方法を考えたほうがいいよ」とアドバイスするようにはしています。
僕、1973年生まれなんですけど、同世代の芸人で成功している人が多いんです。ロンドンブーツ1号2号の淳さんにバナナマン設楽さん、千原ジュニアさん、有吉弘行さん……。僕の年齢前後の人気芸人はみんなバラエティー番組の司会になってます。顔の売れ方も違うし、芸人としてひとつの成功例と言っていいと思います。
だからといって僕はMCをやりたいとは思わないんですよ。っていうか下手すぎる! 以前にも番組で司会を担当させてもらいましたけど、ずっとドキドキしてて……。スタッフから常にカンペを出されるし、時間内に出演者の人たちに話を振らないといけないし、焦ると何言ってるか分からないし……。これも向き不向きがあるからしょうがないと思うんですよ。
テレビの世界って、昔は「ピラミッド型」を想像していたんです。実力とキャリアを積んでいけば上に行けるっていう。でも、実際は違うのかもしれませんよね。得意分野を生かして立場を確立していくというか、MCとか目立つ仕事が多い人はみんなに知ってもらえるけど、テレビの露出が少なくて舞台活動をメインにやっている人だってそれなりのやりがいはありますからね。なので、僕も不安はありますけど、今の仕事を地道に続けていくことが大事なんだなって思います。
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