今の季節に行くなら!近畿地方の聖なる山3選
高山の雰囲気を味わえる石灰岩の山
伊吹山(滋賀県)
伊吹山は大きな山だ。標高こそ1377メートルと、関東でいえば川乗山と同じくらいなのだが、独立峰であるその山容はどっしりと聳え、落ち着いている。
三宮神社からゴンドラに乗ると、森林帯の登りをパスして三合目に着く。カラマツ林を登っていくと四合目を過ぎ、木々は低くなって、やがて高山の趣になってくる。
伊吹山は植物の種類が多いことでも有名で、初夏には花々に囲まれて、まるで植物図鑑の中を歩くような感じになる。織田信長が薬草栽培を命じたという言い伝えも納得だ。山頂直下まで車で上がることもできるが、ここはやはり歩いてその魅力を感じたい。下山は往路を下る。
●参考コースタイム
伊吹高原駅(40分)五合目(1時間)八合目(40分)伊吹山(1時間15分)伊吹高原駅
修行中の親鸞が通った道を辿る
比叡山(京都府)
比叡山には歴史ある登山道がいくつもあり、それぞれに日本史を肌で感じることができる。雲母坂(きららざか)を登る登山道は、親鸞が京の六角堂へ日参するために通ったとされる。急登で歩きやすい道とはいえないが、往時を偲ぶと感慨深く、味わいつつゆっくりと登りたい。
一等三角点のある大比叡へは、駐車場脇に山頂への道がある。下山は往路を下ってもよし、ロープウェイ、ケーブルカーを利用してもいい。
●参考コースタイム
修学院駅(30分)雲母橋(40分)水飲対陣跡(1時間)ケーブル比叡駅(30分)四明岳(40分)根本中堂(1時間)ケーブル比叡駅(40分)雲母橋(20分)修学院駅
大和盆地、河内平野を一望できる役行者ゆかりの山
大和葛城山(奈良県)
大和葛城山(やまとかつらぎさん)は金剛・葛城の山々でもっとも人気のある山だ。役行者(えんのぎょうじゃ)こと役小角(えんのおづの)の生まれ故郷とのことで、歴史的な逸話とともに抜群の展望は何度も訪れたいと思わせる魅力十分だ。
ロープウェイに乗れば山頂までは一頭足。山頂はひらけた草地で、大和盆地、吉野山、河内平野、大阪湾までぐるりと眺めることができる
●参考コースタイム
葛城ロープウェイバス停(1時間20分)つり橋(30分)天神社(20分)大和葛城山(10分)葛城山上駅