なぜ“伝説のキャバ嬢”から“プロレスラー”になったのか? 女子プロ旋風の目となる「リアラ」に独占取材 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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なぜ“伝説のキャバ嬢”から“プロレスラー”になったのか? 女子プロ旋風の目となる「リアラ」に独占取材


2023年に異色の経歴を持つプロレスラーがデビューした。名前はリアラ。歌舞伎町のキャバクラでナンバーワンの座に君臨してきた「伝説のキャバクラ嬢」だ。2022年に「ガンバレ☆プロレス」の練習生となってから9ヶ月。今年5月にデビューを果たした異色の存在がいま話題だ。彼女はどうして “伝説のキャバ嬢” から “プロレスラー” になったのか? 彼女のルーツから現在の心境までを詳しく聞いた。


写真提供:ガンバレ☆プロレス

 

■門限は17時。眉毛を整えるのも許されない家庭

 

ーーーかなり厳しいご家庭だそうですね。

リアラ:私は宮城県栗原市出身で、父が警察官で母が銀行員という家庭で育ちました。父が物凄く厳しくて、家でも絶対的な存在なんです。門限は17時。破るとすごく怒られましたね。年頃になったらお洒落したいと思うけど、お化粧も許してもらえませんでした。当時は細眉が流行っていたので私もやりたかったけど「そんなもの不良の入り口だ」と言って何もできなかったです。彼氏なんか作ろうものなら拳が飛んできそうくらい厳しかった。

 夏休みとか冬休みはアルバイトOKですけど門限は17時のまま。友達とも全然遊べませんでした。夏に地元でお祭りとかあるのですけど夕方頃から盛り上がるんです。でも、私は門限があるから家から出られなくて、部屋の窓から花火を見ていました。

 お母さんは、どちらかといえば私の味方で「大丈夫?」と声をかけてくれましたけど、やっぱりお父さんには逆らえない感じでした。

 

ーーーそれは厳しいですね。反抗心とか芽生えませんでしたか?

リアラ:もちろんありましたよ。実はピアス開けていたんですけど、お父さんにはバレないように隠していました。

 高校卒業した後、スーパーに就職したんです。でも自分のやりたい仕事じゃないし、なんか敷いてもらったレールの上を走っている感じがして半年で辞めました。辞めたのが初めての反抗でしたね。それで親に「仙台で就職します」と言って一人暮らしを始めました。

 

■キャバクラ嬢になりたいのを黙って一人暮らし

 

ーーーそもそもなぜキャバ嬢になろうと思ったんですか?

リアラ:当時はキャバ嬢がすごくブームで、「女子高生のなりたい職業ランキング」でもキャバクラ嬢が1位取った時代でした。テレビでも「お水の花道」(※注:六本木のキャバクラ嬢が主役のドラマ)とか「女帝」(※注:大阪・ミナミ、東京・銀座のクラブを舞台に高級クラブで成り上がっていく女性が主人公のドラマ)がやっていて、自分も同じようになりたいと思っていたんです。それこそ仙台に引っ越しした初日に金髪に染めて、キャバクラの面接に向かいました。

 

ーーーそこからナンバーワンになったのですけど、何かきっかけのような出来事とかありましたか?

リアラ:ナンバーワンになるのに4年かかったんですけど、きっかけはお店のリニューアルです。キャバクラの看板には在籍しているキャバ嬢を載せるんですけど、たくさんいる中で私が選ばれたんです。それで期待に応えようと思ってすごく頑張りましたね。

 

ーーーどんな営業されていたのですか?

リアラ:当時はお酒が飲めなかったのでお客さん全員に毎日連絡していました。一人ひとりの年齢や何の仕事をしているのか? それくらい飲むのが好きなのか? 来るのは土日か? また平日は飲めるのか? を全部メモしてお客さんを覚えていました。メールの内容もコピペだと返事が来ないから一人ひとり内容を考えて送っていましたね。多分1週間で100人ぐらい送っているので、訳わかんなくなってくるんですよ。困ったのが同伴のときで、こっちは覚えていないから待ち合わせできないんです。向こうから今日はこんな服着ているよと教えてもらって合流していました。

 電話も毎日していましたね。それくらいやらないとナンバーワンにはなれないんで頑張って電話をしていましたよ。

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ガンバレ☆プロレスは7月9日に東京・大田区総合体育館でビックマッチを開催する。今回取材を受けてくれたリアラ選手も出場予定。人気レスラー・ウナギ・サヤカとのシングルマッチが決まった。現在プロレス界で注目を浴びているレスラーとの対戦は期待の高さがうかがえる。どんな結果になっても、きっと彼女は立ち上がって頑張っていくだろう。

ガンバレ☆プロレス大田区総合体育館大会のチケットは以下のサイトから購入可能だ。

https://www.ddtpro.com/schedules/19509

ぜひプロレスを会場で体感してほしい。

 

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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