なぜ“伝説のキャバ嬢”から“プロレスラー”になったのか? 女子プロ旋風の目となる「リアラ」に独占取材 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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なぜ“伝説のキャバ嬢”から“プロレスラー”になったのか? 女子プロ旋風の目となる「リアラ」に独占取材

写真提供:ガンバレ☆プロレス

 

■収入激減しても諦めなかった理由

 

ーーーそこからガンバレ☆プロレスの練習生になったんですね。

リアラ:面接の後に「ガンバレ☆プロレスで練習してください」と連絡がきたので道場へと行ったんです。初日は見学だけだったんですけど「無理かな」と落ち込んで帰りました。でも、「向いてないから辞めたら?」と言われるまで食らいついていこうって決めてましたね。丸藤さんや高木社長がせっかくチャンスをくれたのに自分から諦めるのは止めようって。

 

ーーー最初はどんな練習をしていたのですか?

リアラ:最初は前回り受け身と後ろ受け身だけです。小学校のときにマットの上でやってたのは覚えてるんですけど、リングは固いので怖かったですね。筋力はパーソナルジムに通って鍛えてました。

 

ーーー練習生になるまでキャバ嬢はやっていたのですか?

リアラ:その頃は1日練習に行くと3日位寝込んでしまって…。同時並行なんて無理。もういっぱいいっぱいでしたので仕事は辞めてました。お酒も止めて練習だけ頑張ろうって生活です。貯金はほぼなかったですけど、最低限の生活できたら大丈夫だったのでキャバクラのときの半分くらいの家賃のところに引っ越して、めちゃくちゃ食費光熱費を浮かせてました。今はキャバ嬢に復帰しています。

 

ーーープロレスラー挑戦について周りはどんな反応でしたか?

リアラ:離れていった人もいます。キャバ嬢時代の収入を知っている人の中には「もうお金かかる遊びできないんだ」って。引っ越したときに「夢のためにやっているんだよ」と言ったけど伝わらなかったことが多かったですね。

 それでも応援してくれる友達がいたので、残ってくれた人を大切にしようと思いました。デビュー戦(5月5日東京・後楽園ホール)のとき、残った友達がみんな来てくれたんです。感激のあまり泣いちゃいました。

 高木社長も丸藤さんも私が「プロレスラーになりたいんです」と言っても、笑わずに真剣に話を聞いてくれたんです。そして「頑張れ」と背中を押してくれて。お二人は私の大恩人です。

 プロレスに挑戦してすぐの頃は、ガンプロの練習生って言えなかったので苦しかったですね。形になってるものがなかったので何も言えなかった。だからどん底のときに残ってくれた友達は、どんなことがあっても絶対大事にしていこうと思います。

 

■「親不孝者」と言われたけど、やっぱり家族に認められたい

 

ーーーデビュー戦を終えましたけど、どんなプロレスラーになっていきたいですか?

リアラ:私はスポーツ経験ないし、技術も足りない。諦めようと思ったことは100回ぐらいあって。だから気持ちだけでデビューできたと思います。これからは自分の武器である現役キャバ嬢というのを技や雰囲気にも活かして唯一無二のキャバ嬢レスラーになりたい。

 それとガンプロ(ガンバレ☆プロレス)はすごくいい団体なので、名前を広める活動もやりたいです。もちろんプロレスは絶対頑張るんですけど、プロレスをSNSとかメディアに出て広げたい。子どもでも若い人でも、私を媒体にしてプロレスに興味を持ってほしいですね。キャバ嬢としてリアラを知ってくれた人が、一人でもプロレスの凄さ、楽しさを知ってもらいたい。

 後は親にもプロレスを知ってもらいたいです。キャバ嬢になったとき「親不孝者」と言われて、プロレスラーになるときもお母さんからは「お父さんには絶対に言うな」と電話を切られました。やはり家族に理解してもらえないのは辛い…。だから色々なメディアに出て、お父さんやお母さんから「お前がテレビに出ているのを見たぞ」と言われるようになれたらと思います。

 いつかお父さんとお母さんがリングサイドで見守っているところで試合ができたらいいですね。

 

取材&文:篁五郎

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ガンバレ☆プロレスは7月9日に東京・大田区総合体育館でビックマッチを開催する。今回取材を受けてくれたリアラ選手も出場予定。人気レスラー・ウナギ・サヤカとのシングルマッチが決まった。現在プロレス界で注目を浴びているレスラーとの対戦は期待の高さがうかがえる。どんな結果になっても、きっと彼女は立ち上がって頑張っていくだろう。

ガンバレ☆プロレス大田区総合体育館大会のチケットは以下のサイトから購入可能だ。

https://www.ddtpro.com/schedules/19509

ぜひプロレスを会場で体感してほしい。

 

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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