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岡崎慎司と内田篤人の共通点 「サッカー選手の成長」とは

「現役目線」――サッカー選手、岩政大樹が書き下ろす、サッカーの常識への挑戦

数々の選手たちとともにプレーし、対戦してきた岩政大樹選手。海外でプレーする印象深いふたり、岡崎慎司選手と内田篤人選手から「サッカー選手としての成長」を紐解きます。
岩政大樹氏書下ろし「現役目線」第三弾。

岡崎慎司選手に感じたプロとしての「成長」

 岡崎選手が所属するレスターがイングランドのプレミアリーグを制しました。いつまでも語り継がれるであろう、奇跡とも言える偉業だと思います。僕はこれまで、(特にリーグ戦では)優勝を目指していないチームは、優勝争いはできたとしても優勝はできないという持論があったので、この結果には少なからず驚きがありました。

プレミア優勝を果たしたレスター・岡崎選手。チームにも選手にも驚きを感じた。

 プレミアリーグの優勝に貢献し、日本代表でも先日100キャップ(試合出場)を達成した、いまや日本を代表する選手となった岡崎選手ですが、彼はプロサッカー選手になるまでそれほど注目された選手ではなかったそうです。とは言っても、高卒でプロに入ることができている時点で僕なんかよりは当然目立ってはいたのでしょうが、ただいわゆるエリートと言われる選手ではないことは本人も語っているように明らかです。

 では、なぜ彼はここまで上り詰めてこられたのでしょうか。そして、何が「その他大勢」の選手との違いとなったのでしょうか。

 僕は、岡崎選手が日本でプレーしていたときには何度も対戦経験がありますし、日本代表ではチームメイトとして(ほんの少しですが)プレーしました。初めはそれほど印象にありませんでしたが、対戦するたびに厄介な相手となっていき、ヨンセン選手と組んでいたときはJリーグで抑えるのが最も難しいコンビの一つでした。
 海外に活躍の場を移してからも着実にステップアップしていき、プレミア王者まで辿りつくとは、あっぱれと言うしかありません。

 そんな彼のもっとも優れている点と言えば、僕はバランス感覚だと思います。今自分にできることと、できないこと。今自分がやるべきことと、やらないでおくべきこと。そのバランスをその時々の自分と向き合いながら、常に調節しているように見えます。

 プロに入るまでは「成長」は、サッカーに打ち込んでいればある程度、自然に手に入ります。体も大きくなり、目の前の練習や試合に打ち込んでいれば、技術もサッカー脳も身についていくでしょう。
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岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


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