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住みたい街ランキング常に上位の吉祥寺に吉祥寺がない理由

筑波大名誉教授、谷川彰英先生の大ヒットの『地名の由来』シリーズ、東京・江戸から「吉祥寺」の項をご紹介いたします! 

 “吉祥寺”は2016年には惜しくも1位を恵比寿に譲り渡しましたが、老若男女の支持を集める人気の街。昨年までは、住みたい街ランキング5年連続一位の人気を誇りました。

 今回はそんな人気ある吉祥寺の、あくまで地名の由来をご紹介いたします。

 吉祥寺といえば、東京人はまずJR中央線の吉祥寺駅を想起するでしょう。

 この吉祥寺駅は京王井の頭線で渋谷とつながっています。ふつう、○○寺というようにお寺の名前がつく地名は、まず間違いなくその名のお寺があるものです。

 大学名もその例外ではありません。

 東急東横線には、「学芸大学」「都立大学」という駅名があり、知らない人が来ると、ここに両大学があるのかと思ってしまいます。昔は両大学ともあったのですが、学芸大学はとっくの昔に小金井に移っているし、都立大学(現・首都大学東京)も平成三年(一九九一)に多摩に移っています。

 じつは吉祥寺にも同じようなことがあって、吉祥寺の町には吉祥寺がなくて、肝心の吉祥寺は文京区にあるのです。

 学芸大学、都立大学はもともとその地にあったものが移ってしまったのですが、吉祥寺は名前だけ移ったのでしょうか。その謎を明かしてみましょう。

吉祥寺駅北口口前。吉祥寺駅周辺は有数のショッピングタウン。「井の頭公園」をはじめ、緑も多い。『街画ガイド』より 

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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  • 谷川 彰英
  • 2014.09.26