広末涼子W不倫報道で考える “芸能人叩き” を正当化するマスコミの虐め体質【松野大介】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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広末涼子W不倫報道で考える “芸能人叩き” を正当化するマスコミの虐め体質【松野大介】

 

 ちなみに叩く書き込みをするように、芸能マスコミはネット民(書き込みたい人)を誘導する記事の書き方をする。これは私の意見ではなく、政治などの記事でもそう。そういう誘導は失敗する例もあるが、思惑通りの書き込みがいくつかあれば、「こんなネットの声もあります」と紹介して再誘導すればいい。

 マスコミ側は「コンプライアンス」という言葉も利用しがちだ。コンプライアンスとは「企業が法律や条例、社会的規範などの幅広い規則を守る」こと。

 テレビやメディアにはこれに加え、ポリコレと呼ばれるポリティカル・コレクトネスの中の、人種、信条、性別、体型などの違いによる偏見や差別を含まない中立的な表現や用語を使用すること、が重要となっている。メディア関係者と芸能人は、発言や表現で人を傷つけないことが大切だ。

 しかし芸能マスコミは「この発言はコンプライアンス違反ではないか」と個別の芸人や芸能人を批判する基準に用いているところがある。続いてネットが、やり玉に挙げられたその芸人か芸能人を一斉に批判。発言で傷つけられた人がいたのかにはフォーカスを向けないで、「コンプライアンス違反だ」と芸能人を批判する。時には仕事を失くさせる事態にまでなる。

 ネットの中傷で命を絶った人を2度と出さないように、と言いながら、不倫した人をテレビやネットで晒し者にして傷つけているのがメディアだ。

 以上4つの点から、私はW不倫の当事者よりも、報じる側に倫理を問いたい。

 ひとつフォローすると、芸能マスコミは今や超不況の状態なので、侍ジャパンやコロナなど国民の関心事がない時期はスキャンダルで生き延びないと、いつ廃刊や打ちきりになるかもしれず、必死なのだが‥‥

(追記)

 芸能やテレビにおけるコンプライアンスやポリティカル・コレクトがマスコミやスポンサー基準に偏り、特に芸能マスコミは芸能人を叩く手段にしてるかの風潮。このままだと芸能はどんどん萎縮していくでしょう。この件に芸能人は意見を言いにくいので、元芸人の私はもっと突っ込んだ話をしたい。

 

文:松野大介

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松野 大介

まつの だいすけ

1964年神奈川県出身。85年に『ライオンのいただきます』でタレントデビュー。その後『夕やけニャンニャン』『ABブラザーズのオールナイトニッポン』等出演多数。95年に文學界新人賞候補になり、同年小説デビュー。著書に『芸人失格』(幻冬舎)『バスルーム』(KKベストセラーズ)『三谷幸喜 創作を語る』(共著/講談社)等多数。沖縄在住。作家、ラジオパーソナリティー、文章講座講師を務める。

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