なぜテレビのコメンテーターはバカばっかなのか?
炎上を恐れない一言居士ふたりが言いたい放題
中川淳一郎×適菜収 初顔合わせの居酒屋対談
なぜテレビのコメンテーターはバカなのか
——ほぼ時期を同じくして、適菜さんは「本について」(『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ))、中川さんは「お金について」の本(『節約する人に貧しい人はいない。』(幻冬舎))を書かれました。そしてそのメッセージも似ています。要するに、取り返しのつかない人は自分の基準がない人、価値判断の出来ない人であると。見栄を張って本を読んだり、無闇にお金をほしがる奴はバカだと。 本だって読むべきものを精選して読めばいい。お金も好きなものや幸せと感じるものに使えるだけあればいいと。
中川 オレが勝手に先に言っちゃうけど、適菜さんと俺に共通しているところは、むかつくことにはむかつくと平気で言うし、読者や視聴者から嫌われてもかまわないと思っているだけなんだよね。
適菜 そう。私はたまにラジオ番組(文化放送『おはよう寺ちゃん』)のコメンテーターをやっているのですが、毎回、言いたいことしか言っていない。いつクビになってもいいやと思っているので。この前話したのは、コメンテーターは人間の屑ではないかと。
中川 ショーンKも話題になりましたね。
適菜 今の世の中の人間はなんでもかんでもコメントするじゃないですか。それが大衆社会における症例のひとつだとしたら、一番病んでいる職業はコメンテーターであると。知りもしないことを、訳知り顔でとうとうと述べるわけですから。
中川 基本的にコメンテーターに求められるコメントは、「難しい問題ですね」と「政府の一層の支援が必要ですね」の2個でいいという、そういう話だと思うんですよ。
適菜 専門家が專門以外のニュースにコメントするわけですよね。要するに、求められているのは大衆に迎合する素人の意見なんです。リスナーが共感して、「ああそうだね」と思うような意見です。
中川 そうですね。
適菜 私はそれが嫌だから、あえて言わないんですけど。
中川 適菜さんの『死ぬ前に後悔しない読書術』の中にも、新国立競技場のエンブレムの件について、「興味ない」で押し切ったというくだりがありましたね。
適菜 エンブレムのデザインが盗作だと問題になって。でも、あんなものどうだっていいじゃないですか。シールでも貼っておけばいいんですよ。心の底からどうでもいいと思う。だからラジオでも、「興味ない」の一言で押し切った。
中川 オレの場合は、エンブレムに関しては「ハイソなデザイン業界死ね(ただしスカしてないヤツはOK)」とずっと言ってきた。