恥ずかしながら、誰よりもたくさん婚活をしてきた。こんなに出会えるのにどうして成婚できない?【石神賢介】
アプリ、相談所、パーティー、バスツアー……。いとも簡単にマッチングできる現代の婚活事情
◾️贅沢な生活がマストの女性
「私はバブル期を体験した世代で、主人も会社経営でしたので、なかなか贅沢者です。大丈夫でしょうか?」
こんなメッセージをマッチング成立後に伝えて来た女性もいた。年齢は50代半ば。婚歴は一度。夫には先立たれている。
仕事はダンス教室を主宰しているというが、それがどのくらいの収入になるのか、見当がつかない。プロフィール写真は、ブラウン系のロングヘアーで品のある笑顔だった。
「贅沢にもさまざまなレベルがありますが、高価なワインを次々と空けるタイプでしょうか?」
こちらから質問してみた。
「一人では空けませんよww」
なるほど。次々とは空けないけれど、高いワインは好きなようだ。
続けて聞いてみた。
「フライトはファーストクラスで、ホテルはザ・リッツ・カールトンとか?」
「私、旅行は一年に2回は海外に行きたがります。フライトはファーストでなくてもかまいませんが、日系のビジネスクラスより下は体調を崩します。クルマはずっと外国車で、ベンツが好きです。それから、キラキラしたものが大好きです」
このあたりで撤退を決めた。
「大変心苦しいのですが、僕の手には負えないとわかりました。残念ですが、あきらめます」
「はい。ありがとうございました」
「ふさわしい男性とめぐり会えることを願っています」
これで、ジ・エンド。
婚活アプリに彼女にふさわしい男性がいるとは思えない。そんな男はふだんの生活のなかでパートナーと出会っているはずだ。もしアプリ内にいたとしても、営業をはじめ婚活ではない別の目的があっての登録だろう。