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幸福な人生を歩んだ人の考え方は、どこが違うか

無意識のライフ・スタイルを「最選択」することで あなたの人生は変えられる  ―アドラー心理学とその弟子フランクルの心理学の教え―

幸福な人生を歩んだ人の考え方は、どこが違うか

この無意識のうちに選択している「人生ストーリー」を意識化し、新たな人生ストーリーを「最選択」することで、人間は、はじめて真の「自分の人生」を生きることができるようになる。この考え方は、現在『嫌われる勇気』で大人気のアドラーの心理学と、アドラーの弟子で『夜と霧』の著者であるフランクルの心理学に共通するものである。

人生を幸福へ導く2つの心理学を、人気カウンセラーの諸富祥彦氏が解説する。

 

私たちは、自分の未来に対する態度も、選択することができます。

プランドハップンスタンス理論(計画された偶発性)という理論があります。スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が、すごく幸福な人生を歩んでいる人にインタビューをしたのです。すると、共通して分かったのが、「happen to(たまたま)」という言葉の使用頻度がすごく高かったのです。

 

成功者の多くは、自分の成功が自分の努力だけによるものではなく、自分の人生で運ばれてきた運やご縁、できごとなどによるところが大きいということが分かっていて、かつそれを大事にするという生き方を選び取っているわけです。

 

幸せな人や成功している人に共通なのは、自分の人生で運ばれてきた縁や運に対して、開かれた心の姿勢、態度(オープンマインド)をとっている人です。

自分を幸せにできるのは、努力でもなく、単なる運でもないことがわかっているんです。人生で運ばれてくる運や縁に対して、開かれた態度を取っている人がいい人生を生きている。逆に、傲慢な人生態度をとっている人は、せっかくのチャンスをみすみす流してしまっているのです。

 

人生のチャンスとかご縁や運は誰の人生にも運ばれてきています。

 

たとえば、あなたがある講座の案内をみて、ちょっと気になった。この時、このチャンスを流してしまう人と、まずはイエスと言う人とに分かれる。運やご縁にイエスという態度を取ることで、幸福な人生とつながるドアを開くことができたわけです。

一方人生でせっかく運ばれてきた人生のできごとや、縁に対して、それを流してしまうような態度を選択してきた人は、こぢんまりとした人生しか生きることができなくなっていくわけです。

「いくらでもチャンスは与えられるはずだ」という傲慢な姿勢がそこには潜んでいます。そういう人は、幸福のチャンスを見逃し、こぢんまりと固まった人生しか生きられなくなってしまうのです。

 

「回避型」のライフスタイルを取り、こだわりがありすぎて、さまざまなチャンスを見逃してしまっている人は、人生の動脈硬化が起きてしまっています。リスクを取らない生き方を選択しているのです。

人生が変化していく、また、チャンスを自分で流してしまっていす。

 

これから起きうることに対して、どのような姿勢で自己選択をしていくかによっても、人生は大きく変わってきます。

 

まとめると、人間は無意識のうちに、自分の現在・過去・未来に対して絶えず自己選択を行っています。無意識のうちに心理学では、自己選択を行っている存在なのです。

 

 ①自分がどのようなライフスタイルをえらんできたか(「回避型のライフスタイル」をとってきたか、「無防備型のライフスタイル」をとっていたか)に気づく。(無防備型のライフスタイルの意識化――)②人生の「再選択」を意識的に行う。

この人生の「再選択」に、あなたのこれからの人生が拓けていくかどうかがかかっている。

アドラー心理学とフランクル心理学では、人生に対する再選択によって、変化は起きていく。そう考える点が共通しているのです。

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諸富 祥彦

もろとみ よしひこ

明治大学文学部教授

1962年、福岡生まれ。筑波大学、同大学院博士課程修了。千葉大学教育学部助教授を経て、現在、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会理事、臨床心理士。著書に『知の教科書 フランクル』(講談社選書メチエ)、『ビクトール・フランクル 絶望の果てに光がある』(小社刊)、『フランクル「夜と霧」』(NHK 100分de名著)などがある。HP:http://morotomi.net


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