布袋寅泰や手越祐也とのお騒がせ交遊も。国民的未亡人・安倍昭恵について考える【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

布袋寅泰や手越祐也とのお騒がせ交遊も。国民的未亡人・安倍昭恵について考える【宝泉薫】

 

◾️安倍政権の長期化も彼女なしではありえなかった

 

 また、夫は政治家一族の出とはいえ、祖父や父たちのように東大法学部卒業のエリートではない。若い頃はどこにでもいる二世三世のお坊ちゃん政治家みたいな雰囲気もあった。そんな男が史上有数の政治家になっていけたのは、妻のおかげでもあるはずだ。

 実際「家内がほめてくれると勇気が出る」とも言っていて、妻から活力を得ていたことがうかがえる。子供ができないことを後援会からとやかく言われても、彼は養子縁組や離婚といった選択をしなかった。初デートに50分も遅刻してきたり、フラダンスにハマれば仕事で疲れて帰ってきた夫にもそれを披露せずにはいられないほどマイペースなアッキー。そんなところが彼にはけっこう居心地がよかったのだろう。

 そういう意味ではやはり、安倍政権の長期化も彼女なしではありえなかった。ちょくちょく足を引っ張るように見えて、ちゃんと下から支えていたともいえる。

 なお、伊藤博文の妻・梅子や原敬の妻・浅、東条英機の妻・かつ子のように、悲劇的な最期を遂げた夫を見送った日本のファーストレディは他にもいる。ただ、昭恵のように長年、コメディエンヌ的にも見えていた人がそうなってしまったことに、いっそうの哀しみを覚えるのである。

 彼女は史上最も悲劇的なファーストレディなのかもしれない。

 

文:宝泉薫(作家・芸能評論家)

 

KEYWORDS:

◆KKベストセラーズ  宝泉薫の好評既刊◆

※上のカバー画像をクリックするとAmazonサイトにジャンプします

宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

平成の死: 追悼は生きる糧
平成の死: 追悼は生きる糧
  • 宝泉 薫
  • 2019.04.28
瘦せ姫 生きづらさの果てに
瘦せ姫 生きづらさの果てに
  • エフ=宝泉薫
  • 2016.09.10