安倍晋三、橋下徹、馬場伸幸・・・小沢一郎「日本改造計画」に連なる悪党の系譜【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第44回
■虚構とチェリーピッキング
「都合の良い所だけ摘んで繋げてストーリーを作り上げる」人間が増えてきた。デマ屋が暴走し、言論の基盤が破壊されてきた。その結果が現在の日本の惨状である。
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人間は判断を間違える。アメリカの政治評論家ウォルター・リップマンが指摘するように、「虚構が切実に求められているために、虚構が真実と取り違えられる」からだ。
《公共の事柄に対する意見は社会の正常な成員によるものだけではないし、また選挙、宣伝、支持者集団のためには数が力となるものであるから、注意の質はなおさらに低下する。読み書きのまったくできない人たち、精神薄弱者たち、たいへんに神経質な人たち、栄養不良の人たち、欲求不満の人たちからなる大衆の数は相当に大きい。われわれがふつう想像しているよりもはるかに大きい、と考えても無茶ではない。したがって、幅広い大衆への訴えは、精神的には子どもで、野蛮な人たち、生活が順調でなく困窮している人たち、生命力の使い尽くされた人たち、引きこもっているばかりの人たち、論争中の問題に含まれている要素を一つも経験のなかにとり込んだことのない人たちの間を経めぐる。公共の事柄に対する意見の流れはこうした人たちのところでせきとめられて誤解という小さな渦を作り、そこで偏見とこじつけの類推によって変色させられる》(リップマン『世論』)
プロパガンダは、こうした人々の「連想の質」を計算してつくられる。
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大昔から私は何度も言っているが、小沢一郎を信用してはならない。小沢は7月15日放送のABEMA「NewsBAR橋下」に出演。橋下徹に対して、「これだけリーダーシップを持った人が政治活動から身を引くのはよろしくない」「(橋下は)維新をつくったわけですから途中で投げ出してもらっちゃ僕は困ると思ってる」と発言。結局、小沢の自民党破壊、国家破壊、政治制度改革などを含む「日本改造計画」が、その後、30年以上の大混乱を引き起こしたという話。安倍政権や維新という惨事も、その延長線上にある。
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日本維新の会の馬場伸幸は動画番組で「第1自民党と第2自民党が改革合戦をして国家・国民のために競い合うことが、政治をよくしていくことにつながる」と述べ、自民党と維新の会が政権の座をかけて争うべきだと強調したとのこと。もはや悪党は正体を隠さなくなった。
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また馬場は、共産党について「日本から無くなったらいい政党で、言っていることが世の中ではありえない。空想の世界をつくることを真剣に真面目に考えている人たちだ」と批判。空想の世界をつくろうとしている花畑は一体どちらか。「都構想」という名の大阪市解体のスキームにおいて、連中は住民投票が通れば、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、バンコクと並ぶ大都市になると繰り返していた。しかし政令指定都市である大阪市が解体されたら、金欠により都市計画も進まず、ニューヨーク、ロンドン、パリどころか、町や村以下の特別区になることになっていた。
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立民、共産両党は猛反発していたが、これまで維新を甘やかしてきたツケ。きちんと懲らしめたほうがいい。
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