実は2000年以上も食されていた健康食
日本人の食生活に欠かせない食材、大豆。そのまま煮る、すり潰す、発酵させる…。調理および、加工方法は多岐にわたり、我々の食卓を彩るこの大豆は、実は豊富な栄養分の宝庫。しかも、その成分は体にもいいこと尽くし。大豆の魅力を再発見する。
朝起きて、コップ一杯の豆乳を飲む。食卓にはご飯と納豆、さらには野菜と大豆の五目煮に油揚げと豆腐の味噌汁…。こんな1日のスタートは、日本人にとって珍しいものではないだろう。
「食の欧米化」が叫ばれて久しいが、それでもわが国の食卓には必ずといっていいほど醤油があり、冷蔵庫には味噌や納豆、油揚げなどが並ぶ。そう、豆は数あれど日本人にとって豆といえば、「大豆」なのである。
さて、米とともに私たちの食生活を支えてきた大豆。その歴史をさかのぼってみると、大豆は2000年以上前から、日本やアジア諸国で食べられてきたという。
日本に伝わったのは弥生時代のころで、水稲とともに中国大陸から伝来したという説が有力。全国的に栽培され始めたのは、鎌倉時代からといわれる。
一般に「大豆」と呼ばれるものは黄大豆だが、赤豆、黒豆、茶豆、青大豆、だだ茶豆なども、大豆の一種。枝豆は大豆の未熟果であり野菜に分類されるが、大豆は穀類である。なお、大豆はそのままで食べるのが困難なため、「炒る」「煮る」「発酵」などの工程を経てわれわれの胃袋に運ばれるのだ。
ところで、米国の死因のトップは心臓病であり、大豆たんぱく質をとれば、その危険性が低下すると、米政府が1999年に公式に認知したことから、大豆たんぱくは他国でも注目されはじめている。いまや日本の伝統食にとどまらない。