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“純粋な恋愛のつもりだったけど、読者からは「ホラーでした」” 小説家・紗倉まなが綴った歪んだ恋愛小説

紗倉まな

 

  新鋭作家として注目を集めている紗倉まなが、都内で最新小説『ごっこ(講談社)刊行記念スペシャルトークショーを行った。イベント前に報道陣の囲み取材が行われた。

 初めて書き下ろした小説『最低。』は映画化され、『春、死なん』は2020年度野間文芸新人賞候補作となり注目される。新刊『ごっこ』は三年ぶりの小説集。

小説『ごっこ』を書いたきっかけを聞かれた紗倉は、「私が他の原稿で行き詰まっていたときに、担当編集の方に恋愛を軸に書いてみないかと言われ一年ぐらいかけて書きました」とコメント。

  読者からの反応は?と問われると、「私は純粋な恋愛のつもりでしたが、思っていたよりホラーでしたとかちょっと怖かったという今までにない感想をたくさんいただきました。自分が思っていた通りの恋愛を描けていなかったし、自分でも想像していなかった歪みのある恋愛として読んでくださったんだなという感謝がすごくありました」と答えた。

 「男性の方に応援していただく機会が多いのですが、恋愛ということもあるので女性の方に読んで欲しいと思い書きました。男性の方が読むと女性は怖いと思うかもしれません。幅広い方に読んで欲しいです」と、これからの読者へアピール。

  今後描いてみたいテーマについて紗倉は次のように語った。

 「今後はいろいろ体のことについて書くのがすごく興味があるというか好きな分野なので、女性が肉体を改造していく話とか、美醜にとらわれて生きやすさと生きづらさを両方得ている方ってけっこういるなと。整形とかに対しても化粧をするような感覚で施したりする流行りみたいなものに対して、私もいつか書いてみたいなという思いがあって。今後どこかで自分の出力がちゃんと養えたら描いてみたいなと思っています」

  今回の小説の映像化や何か文学賞の受賞などを期待されている声もちらほら。

 「私がそんな欲を出すと醜すぎるのであまり欲を出せないんですけど、『ごっこ』は映像的に見える部分があるねってお声をいただけることも多くて、そういった別の形での『ごっこ』の形を見てみたいなという思いはあります。いろんな方に作品を読んでもらいたいという思いと、私は本屋さんに行くのが好きなんですけど、自分の本が置いていないとすごく悲しい気持ちになるので、いろんな本屋さんに置いてもらえるきっかけとなれば嬉しいなという思いはあります」

  小説『ごっこ』は、紗倉さんの攻略本になりますか?と聞かれると、

 「私が経験してきた恋愛を詰め込んでいるので、読んだ方はこれと全然違う男性になってくれたら、私はすごく付き合いやすいなと思います」と述べた。

  実際のところ、今結婚願望はあるのだろうか?

「私は今のところは全然結婚願望がないんですけど、本当に11年で考えることや自分がしたいことは変わるような気がするので、今後もしかしたらそう思えるような心の余裕のある状態になったらいいなと思います」とのこと。

 今年、アサヒ芸能が主催する「2023現役AV女優SEXY総選挙」ではトップを奪還し、『AbemaPrime』のレギュラーコメンテーターとしても活躍する紗倉。小説家としての顔も注目だ。

 

取材・撮影:BEST T!MES編集部

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