アイドルの激痩せと過食嘔吐告白、大食いやヴィーガンの死。この夏の「痩せ姫」事情を振り返る【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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アイドルの激痩せと過食嘔吐告白、大食いやヴィーガンの死。この夏の「痩せ姫」事情を振り返る【宝泉薫】

 

 さらに、吐き出す方法についても「人によっていろいろ違うんですけど」としたうえで、

「私は指を突っ込んで無理やり自発的に吐かせる方法。腹筋吐きっていって腹筋を使って吐ける人もいれば、チューブ吐きっていってチューブを使って綺麗に吐ける人もいるらしいんですけど、私はそれができなかったのでいつも手が汚れてつらかったなって、どうやったらこの手のニオイとか取れるんだろうってめちゃめちゃ手洗ってたかな。当時まあそんな感じの摂食障害ライフを送っていまして」

 とまあ、これまでに芸能人が行ったこうした告白のなかでも、一、二を争うような踏み込んだ内容だった。

 ちなみに、彼女はこの4月、34.4キロ(身長156センチ)という体重を公表して話題に。昨年11月には俳優との交際が発覚し、それが過去の発言と矛盾するものだったことで騒がれた。スキャンダルをネタにして這い上がろうとするアイドルを批判し、自分が「風紀委員長」になるとまで言っていたからだ。

 その責任をとるようなかたちでグループからの卒業を発表。それゆえ、体重公開や過食嘔吐告白についても、心配や賞賛とともに「同情を買いたいのか」とか、それこそ「自分自身が病気をネタにしているのでは」といった厳しい指摘が飛び交った。

 ただ、彼女の生き方には独特の魅力がある。おそらく、食とか恋とか何かに依存していないと安定しない人なのだろうし、その迷走気味の葛藤には今どきの女の子っぽさも体現されているのではないか。実際、アイドルのキラキラ感と闇落ちとのギャップは、今年アニメ化されてその主題歌も大ヒットした人気漫画「【推しの子】」の世界観にも通じるものだ。

 なお、動画のなかでは現在の体重が「39キロぐらい」と明かし、

欲を言ったらもっと痩せたいし、でも健康のためにはたぶんもっと食べたほうがいいってこともわかってるし」

 と、複雑な気持ちをのぞかせた。

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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