インボイス導入反対署名が36万人突破! 免税業者に誹謗中傷の嵐。混乱と分断を招く希代の悪法【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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インボイス導入反対署名が36万人突破! 免税業者に誹謗中傷の嵐。混乱と分断を招く希代の悪法【篁五郎】

 

◾️免税業者がインボイス反対を訴えると誹謗中傷の声が・・・

 

 次に「VOCTION」(インボイスに反対する声優が集まって作った団体)共同代表の甲斐田裕子さんが「安心・安全・成長・尊厳なき適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の中止・延期を求める緊急提言」を発表。

 

写真提供:STOP!インボイス

 

 免税業者はインボイスに登録しても、しなくても「地獄の選択」だとした上で、制度の開始によって廃業を考える事業者はアニメ・漫画といったエンタメ業界で2~3割、建設業界では1割になることを明かした。この結果は新規参入が難しくなり、業界の衰退を意味すると断言し、改めてインボイス制度の中止か延期を求めた。

 緊急提言の中にはこんな一文も入っている。

「最後に。免税事業者がインボイス反対の声を上げると、「脱税」「ピンハネ」といった誹謗中傷を受ける事態があとを絶たない。しかし、財務省は消費税に「預かり税」はないという見解を国会で示しており、消費税法上も消費税に「預かり金」や「益税」があるとは認めていない。その見解の周知・広報を徹底し、免税事業者の尊厳が守られることを強く要請する」(全文はこちら→https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27554

 個人事業主やフリーランスがインボイス反対の活動をしていると「これまで対策してこなかった方が悪い」「俺たちが払ってきた消費税を着服していたのだから払って当然」といった声が今でもある。「VOCTION」代表で声優の岡本麻弥さんが、X(旧Twitter)アカウントで「インボイス反対」を訴えると誹謗中傷や的はずれなポストが続々と飛んでくる。それだけインボイス制度は理解されていないのが現状だ。

 

◾️会社経理職1割がインボイスを知らないというアンケート結果

 

 続いて「STOP!インボイス」が、昨年末から企業の経理担当者に向けておこなったアンケート(回答数709)結果が発表された。結果では、インボイスを直接扱うことになる企業の経理担当者から「名前は聞いたことがあるが内容は知らない」と答えた人が1割弱の7.3%もおり、周知不足が改めて浮き彫りとなった。

 

写真提供:STOP!インボイス

 

 また導入については「導入すべきではない」「延期すべき」という意見も88%ものぼり、当事者から「インボイス反対」という声が出ている。理由1位は「事務負担が大きいから」(82.9%)からだという。2位は「免税事業者の経済的負担が大きくなるから」(74.6%)、3位は「そもそも消費税を減税・廃止すべきだから」(60%)となっている。

 負担が大きくなる理由としては事務処理の煩雑化が大きい。複数税率の処理は、税率を間違えると納税額も変わり損益実績も変わるので正確さを求められる。しかもシステムを導入していない場合は手計算となってしまい、複雑な制度や経過措置に対応しきれないという懸念の声もあった。対応するシステムを導入すると何千万円もかかかってしまう。事業者にとっては大きな負担だ。できることなら単一税率で処理したいのが経理担当者の本音である。

 アンケート結果では、制度が施行され業務が増えることによって「異動」もしくは「退職/転職」したいと考える経理担当者は33%もいた。負担が増えるだけのインボイスは経理職にとっても止めてほしい制度だといえる。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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