政治家はどこまで劣化するのか? 日々、新記録を打ち立てる維新の会【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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政治家はどこまで劣化するのか? 日々、新記録を打ち立てる維新の会【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第47回


内閣改造と自民党役員人事を岸田文雄が発表。日本維新の会代表・馬場伸幸は「総裁選対策内閣」だと斬り捨てた。選挙対策委員長に就いた「ドリル優子」については「襟をきちっと正して説明を果たす責任がある」。自分たちの襟も正せない男がどの口で言うのか? 維新の本質を 「政治家が犯罪に手を染めているのではなくて、犯罪者が政治に手を染めていると言ったほうが適切かもしれない」と喝破した適菜収氏の「だから何度も言ったのに」連載第47回。このほど日本人は豚になる:三島由紀夫の予言が重版決定。


日本維新の会代表・馬場伸幸

 

■ほぼ日。維新クオリティ

 

 連日のように不祥事を引き起こす維新の会。ここまで来ると、異常を通り越して、常態になっている。維新の不祥事が数日間報道されないと少し心配になる。維新の政治家の不祥事が発生すると「今日もいつも通り」と安心し、別の政党の政治家がトラブルを起こすと「おやっ?」と思う。

 維新の犯罪をまとめようにも、次から次へと問題を起こすので、まとめることができない。いっそのこと、日めくりカレンダーでもつくるか。たとえば、「12日は西井勝が自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された日」「519日は田中孝博が地方自治法違反の疑いで逮捕された日」「88日は赤坂大輔が女子高生3人に向かって下半身を露出し、公然わいせつの疑いで逮捕された日」みたいな感じで。

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 汚染は維新上層部から末端までを貫いている。幹事長の藤田文武が自身が代表を務める政治団体「藤田文武後援会」に2021年に寄付した「調査研究広報滞在費」(旧・文書通信交通滞在費)60万円を後援会の政治資金収支報告書に記載していなかったことが発覚。ほぼ日。維新クオリティ。

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 大阪府交野市の選挙で、大阪市議本田リエが投開票日前日に維新以外の候補者の顔を塗りつぶしたポスター掲示板の写真をSNSに投稿。MBSの取材に本田は「悪意はない」とコメント。悪意しかないだろ。ほぼ日。維新クオリティ。

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 829日、カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐり、イメージ図や動画に、美術家の奈良美智や村上隆の作品を無断で使用していた件で、大阪府・市は謝罪。別の20点の写真などについても、必要な権利処理の手続きを行わずに使用していた。奈良の作品については、3年前、使用許諾を依頼したものの断られていて、村上には依頼すらしていなかった。維新が推進するIRも異次元の領域に入ってきた。

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 そもそも維新の会は芸術に関する敬意の欠片もない集団だ。創設者の橋下徹からして、文楽などの伝統文化を攻撃してきた人物だ。橋下は「なぜ人間国宝の公演でも客席が3割程度しか埋まらないのか。文楽の世界は身分保障の公務員の世界となっている」「世間とかけ離れた価値観、意識のもとに伝統に胡坐をかいてきたその結果が今の姿となった」とツイート、「文楽協会」への補助金を削減した。

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 818日、大阪府所蔵の美術作品105点が咲洲庁舎の地下駐車場に置かれている問題で、府は専門家らでつくる「アート作品活用・保全検討チーム」の初会合を開いた。チームに参加した府特別顧問の上山信一は「作品をどこまで持ち続けていけばいいのかという根本的な問題が出てくると思う」と述べ、売却なども含め検討することを提案。また、「デジタルで見られる状況にしておけば、(立体作品の)物理的な部品は処分してもいいというのはありえると思う」とも発言。当然、反対意見も出たが、これが維新の本質である。

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 2ヵ月くらい前に某出版社の集まりで大阪在住の維新信者に遭遇。彼は「維新の会は言行が一致している」と言っていたが、だから危ないんだけどね。

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 ✳︎

第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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