西洋音楽の総元締め・ベートーヴェン この偉大な作曲家がいなかったら音楽の歴史は全部変わっていた【齋藤真知亜】
オケマンはクラシック音楽を語りたい
■ベートーヴェンが西洋音楽史上において〝総元締め〞といわれる理由
ベートーヴェンは、古典派時代以降の西洋音楽史上において〝総元締め〞といえる大きな存在です。ベートーヴェンがいなかったら音楽の歴史が全部変わっていたといわれるほど、数え切れないほど多くの作曲家がベートーヴェンの影響を受けています。
影響を受けているのは演奏家も一緒です。ベートーヴェンの曲に向き合い、どう理解するか考え抜くことは、演奏家としてステップアップするための条件のようなものです。
ベートーヴェンを理解していなくては弾けない曲もあります。たとえば、ドビュッシーの曲を弾くためには、ベートーヴェンの曲をしっかり理解している必要があるというと、多くの人は驚くのではないでしょうか。しかしながら、ドビュッシーはベートーヴェンを模倣しており、実は〝ベートーヴェン色〞が色濃いのです。ですから、ドビュッシーを理解するには、まず、ベートーヴェンを理解していなくてはならないのです。
文:齋藤真知亜
(『クラシック音楽を10倍楽しむ魔境のオーケストラ入門』より抜粋)
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齋藤真知亜&齋藤律子のデュオ〝ニコイチヴァイオリン〟
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「主よ、人の望みの喜びよ ニコイチヴァイオリン」
Jesus bleibet meine Freude nicoichiviolin
純正律の響きを重視して音作りを行うデュオ“ニコイチヴァイオリン”のデビュー・アルバム。弦楽器ならではの純正調による音の共和の美しさは勿論のこと、オリジナルが独奏の2つのシャコンヌは福旋律を交え、奥行きを増した響きの移ろいが興味深い。