「都知事に橋下、東国原がいい」って!?都民はアホか。
さらに、左翼も右翼もバカはうんこ食ってろ!
中川淳一郎×適菜収 炎上覚悟の居酒屋放談
ついに、舛添都知事が辞意する意向を固めた——。
まさに民主主義らしい大衆による集団リンチがようやく利いてきた。一時的に溜飲を下げている人たちがなんと多いことか。
そして「次の都知事には誰がふさわしいか」と都民に尋ねれば、なんと「橋下徹」「東国原」がいいという応えが圧倒的多数。理由は「面白そうだから」。
舛添を選んだ都民の多くの理由がこれだ。
「有名だから」「面白そうだから」
舛添の、あのせこくて惨めな姿は、まさに「都民自身の姿」であることを知ったほうがいいだろう。どんなに清くて偉そうなこと言っても、舛添を選んだのは「あなた」なのだから!
舛添が辞めるからといったって怒りがおさまらないのは、この民主主義万歳の世の中ではきっと変わらないはず。
そんな怒りの矛先を愚昧な大衆はもちろん、いまどきの「左翼」「右翼」に向けて批判しまくる一言居士ふたりの、炎上覚悟の居酒屋対談を公開。
左翼も右翼もバカはうんこ食ってろ!
中川 適菜さんの怒りってどこにあるんですか? 怒りを表明するということは何か自分の不満を解決することに繋がっているとも思うんですよ。オレは例えば、「ネトウヨ死ね!」って言うんだけど。あいつらから、炎上させられるんですね。「お前らはバカだから、お前らの意見はぜんぶクソだ」と言うことで、自分に利益誘導しようとしているんですよ。適菜さんの利益誘導的な言説はどこにあるんですか?
適菜 利益誘導なのかな?
中川 利益とは言わない。マイナスを0にする程度の話だと思う。オレはネトウヨから「極左が!」と言われて、極左からは「極右が!」と言われて。どっちなんだこのやろうって感じなんですよ。
適菜 私もそれに近いようなところがあります。
中川 両方から批判されますよね。
適菜 利益誘導なら本を売って日銭を稼ぐということもあるのかもしれませんが、それがまったくない部分もある。それは愛国心です。純粋な愛国心で、安倍晋三や橋下徹とかを批判してるんです。
中川 あんなやつらが権力を握ったら困るという話ですね。
適菜 しかも、戦後政治の腐敗の成れの果てに登場した安倍みたいな売国グローバリストを支持する「保守」ってのがわが国には存在するわけですよ。それが純粋に気持ち悪い。気持ち悪いというか、バカは嫌い。
中川 ハハハハ。結論が出ました。バカはうんこ食ってろ(笑)。
適菜 バカがバカを担ぐから、世の中がおかしくなる。
中川 オレたちがいつも言われているのが、「バカと言っているやつが一番バカ」と「バカと言っているやつほどバカが多い」ってこと。こんな反論が来るんだけど、そこに対しては、どうやって答えますか?
適菜 それはどこかで書いたけどなんだっけ……?
中川 オレは「うるせえよ」と。どう考えても、「お前よりは多分頭いいぞ、バカに生まれて本当にお悔やみ申し上げます」で終わりなんですけど。適菜さんはどう答えますか?
適菜 「お前の母ちゃんデベソ」レベルの批判の相手をしても仕方ないと私は思っていて。これは知り合いの評論家が言っていたのですが、道を歩いていて犬に吠えられたら、吠え返すのかと。「対案を示せ」とか「答えがない」とか「安倍さんのほかに誰がいるのか」「時の首相を呼び捨てにするのはけしからん」とか、そんな批判ばかりですしね。
中川 それを言う時点でバカですよね。
適菜 私は政治については複雑なことはなにも言っていません。具体的にこれをやったらまずいと指摘しているだけで。移民政策だって、世界各国の移民政策が失敗している中、同じことをやったらまずいでしょうと。「国境や国籍にこだわる時代は終わった」とか言いながら、大量の中国人を国内に入れようとしている安倍を、自称保守や自称愛国者が支持するのは変でしょうと。ポツダム宣言も憲法もまともに読んだことがないアホが、改憲を唱えるってこれほどグロテスクな話はないですよ。私は改憲には肯定的ですが、安倍に憲法を触らせたら国が滅びると思います。安倍政権は一貫して売国路線、壊国路線を突き進んでいますが、アレを支持している連中の多くは、利権があったり、悪意があったりするわけではない。安倍を支えているのは、無知と忘恩です。戦後民主主義と革新幻想です。とにかく世の中を変えたいから、ぶっ壊してしまえと。歴史や伝統に対する忘恩。今の自民党には保守的な要素はほとんどない。でも、メディアに流されるB層は、こういうものに喰いついてしまうわけですね。
中川 つまり左翼も右翼もぜんぶ倒れとけって話ですね。両側のやつらはもう邪魔。
適菜 鶴田浩二の『傷だらけの人生』ではありませんが「古い奴ほど新しいものを欲しがる」んですよ。「右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合い」です。
(『中川淳一郎×適菜収 炎上覚悟の居酒屋対談』つづく)
(プロフィール)
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都立川市生まれ。1997年一橋大学商学部卒業、同年博報堂入社、CC局(コーポレートコミュニケーション局)配属。2001年、サラリーマンとして通用しないと諦めて退社。無職になる。その後、ライター、雑誌編集者を経て、2006年にネットニュースの編集者になる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『節約する人に貧しい人はいない』(幻冬舎)、『仕事に能力は関係ない』(KADOKAWA)等多数。20代30代読者に向けた世渡り指南書『好きなように生きる下準備』(ベスト新書)が絶賛発売中!
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』(講談社)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)など著書多数。最新刊『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)が好評発売中!