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出雲の神はなぜ、祟るのか!!

なぜ出雲大社の本殿がかくも巨大だったのか?

常に新たな視点を持ち、従来の研究では取り扱われなかった古代史の謎に取り組み続けてきた歴史作家・関裕二が贈る、日本人のルーツを探る異端の古代史シリーズ!(現在第7弾まで発売中)その中でも厳選したテーマを紹介いたします。

出雲国造が代々伝えてきた「神火」とは何か?

出雲大社 拝殿 朝のお浄め

 戦後長い間、神話は絵空事と考えられてきた。しかし、出雲の神々の「その後」と周囲の反応をみていると、「何かがおかしい」と思えてくる。というのも、出雲の神は、よく祟るからだ。

 そして、神話の中で勝った者たちの末裔が、出雲神の祟りに怯え続けている。出雲の国譲りが「創作」なら、自ら造り上げたお伽話の主人公に怯えきっていたことになる。
   普通、こんなことはあり得ない。
   出雲大社の本殿が巨大だったことも謎めく。
   平成十二年(二〇〇〇)四月、境内から巨大木柱・宇豆柱(うずばしら)が発掘され、さらに中心の心の御柱(しんのみはしら)も見つかった。
   直径は一二五~一四〇センチ。

 それを三本束ねてひとつの柱にし、計九本で本殿を支えていた。この奇妙な様式は、出雲国造家(いずもこくそうけ)に残された『金輪御造営差図(かなわごぞうえいさしず)』(ようするに設計図)に記録されていたのだが、「こんなものあるはずがない」と、相手にされていなかった。

 かつての社殿は「理由もなく倒れた」という言い伝えも無視されたままだった。
   現在の本殿の高さは八丈(二四メートル)で、中古は倍、さらに上古は、その倍(三十二丈、九六メートル!!)あったと伝えられていたが、伝承を笑殺することができなくなっている。

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関 裕二

せき ゆうじ

 



1959年生まれ。歴史作家。仏教美術に魅了され、奈良に通いつめたことをきっかけに、日本古代史を研究。以後古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている。著書に『古代史謎解き紀行』シリーズ(新潮文庫)、『なぜ日本と朝鮮半島は仲が悪いのか』(PHP研究所)、『東大寺の暗号』(講談社+α文庫)、『新史論/書き替えられた古代史』 シリーズ(小学館新書)、 『天皇諡号が語る 古代史の真相』(祥伝社新書)、『台与の正体: 邪馬台国・卑弥呼の後継女王』『アメノヒボコ、謎の真相』(いずれも、河出書房新社)、異端の古代史シリーズ『古代神道と神社 天皇家の謎』『卑弥呼 封印された女王の鏡』『聖徳太子は誰に殺された』『捏造された神話 藤原氏の陰謀』『もうひとつの日本史 闇の修験道』『持統天皇 血塗られた皇祖神』『蘇我氏の正義 真説・大化の改新』(いずれも小社刊)など多数。新刊『神社が語る関東古代氏族』(祥伝社新書)



 


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