プロレスラー関根“シュレック”秀樹 “魂の叫び” 「最後のパワーを振り絞って君は立ち向かったか?」【篁五郎】
あなたが出会うことがなかった人生がここにある。
総合格闘技イベント「RIZIN」に異色の経歴を持つプロレスラーが参戦している。彼の名前は関根“シュレック”秀樹。身長175cm、体重115kg、50歳の現役プロレスラーだ。36歳でリングデビューし、43歳でプロに転向した。彼のプロフィールで特筆すべきは静岡県警の元警部補だったこと。警察官の職務に就きながら、柔術、組み技の世界大会に出場。さらに下垂体腺腫(一般的に巨人症とも呼ばれる)という難病を患いながら、総合格闘技やプロレスのリングで試合をしている。まさに“超人”と呼ぶにふさわしい選手だ。今回は40代を過ぎて大きな決断をした関根選手に病気も含めてご自身のことを詳しく聞いてきた。
■子供の頃は「超人」になりたかった
関根“シュレック”秀樹は小学校から大学まで、柔道に打ち込む生活を送っていた。子供の頃に好きだった漫画は「キン肉マン」で、原作の影響を受けて「超人」になりたかったという。柔道部の友人の影響を受けてプロレスにもはまった。当時のめり込んだのはUWFインターナショナルだった。関根は「俺は高田延彦信者」というほどの大ファン。大学卒業後はUWFインターナショナルに入門するつもりだったが、同団体は彼が大学4年のときに活動停止。失望している彼に祖母が警察官になることを勧めてきた。
「警察官試験受けてくれって懇願されちゃったんです。行くだけ行って嫌だったら辞めてもいいからって言われて警察官になりました」
警察官になった関根は交番勤務から機動隊、マル暴担当の刑事と順調にキャリアを積んできた。当時は先輩からのイジメなどもあったという。
トイレ掃除ができていないというだけで勤務時間後、交番の裏で水が入ったバケツを両手で持たされたまま2時間立たされたこともあった。しかし嫌がらせも乗り越えて警部補に昇進。そんな彼に転機が訪れたのは柔術との出会いだった。