ジャニーズ性加害、日本保守党、維新の会……日本の病は根の部分でつながっている【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第49回
ジャニーズはこれまで日本の芸能界のタブーだった。BBC放送の告発から始まったジャニー喜多川の性加害騒動は前代未聞の展開に。弱者を食い物にする悪党に忖度し、ビジネスと称してそのおこぼれにあずかってきたマスコミや政財界。その卑しい体質がようやく白日のもとに晒されている。その最中、見過ごせないのが維新のセクハラ事件の数々だ。マスコミはまた同じ過ちを繰り返すのか? 『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』(KKベストセラーズ)で、三島は日本の今をあまりにも正確に予測していたと語る著者適菜収
■ジャニーズ事務所とTBSの関係
NHKは「ニュース7」で、同局のジャニーズJr.の音楽バラエティー「ザ少年倶楽部」に絡む事件を報道した。告発した30代男性によると、高校生だった2002年秋、同番組のダンス練習に参加。そこでジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川に声を掛けられ、休憩時間に個室トイレに連れて行かれ、性被害に遭ったとのこと。男性はアイドルになりたくて、その後も練習に参加。5回ほど被害を受けたが、数カ月後に行為を拒否したところ、事務所から呼ばれなくなった。これまで出てきた数々の内部告発の内容がすべて事実だとしたら、人類史上例がないような長期間にわたる児童連続レイプ事件である。たまりにたまっていたものが一気に出てきたようだが、これは水に流してはいけない問題である。
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TBS系報道番組「報道特集」で、ジャニーズ事務所とTBSとの関係が検証された。日下部正樹キャスターは、喜多川の暴走に沈黙を続けてきたメディアとしての自戒を込め、「私たちは報道機関として当然持つべき弱い立場の人々に寄り添う思いと想像力を欠いていました」「さらに深刻なのは、この問題はTBSに限らず、沈黙を続けてきたテレビ局全体の問題だということです」と発言。
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この構図は、日本社会全体を覆う問題でもある。メディアは権力者に忖度を続け、不正に目を瞑り、ビジネスを有利にすすめる。しまいには維新の会のようにメディアと結託したりする。日下部は「ジャニーズという巨大な帝国を育てたのは、間違いなくテレビ局です。勇気を持って声を上げた被害者の方々には、どんな言葉を尽くしても、お詫びのしようもありません」とも述べていたが、ジャニーズを維新の会に置き替えても、あてはまる。先日《「犯罪歴のある人間との付き合い」怪文書がバラまかれ…大阪維新の会・衆院議員候補に「黒い交際」疑惑》(FRIDAYデジタル)という記事があったが、「交際」どころか、維新関係者自体に「犯罪歴」があったりする。先日久しぶりに「哲学系ゆーちゅーばーじゅんちゃん」の番組に出演したが、「マスコミが報道を避けてきたもう一つの性加害問題」として維新の会についてまとめて話しておいた。大阪府議団代表の笹川理がパワハラやストーカーを続け、大きな問題になったが、笹川に押し倒された女性は、性的暴行を受けたとして大阪府警に被害届を提出、受理されている。
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セクハラや性加害は、維新の一丁目一番地である。詳細は番組で述べたが、阿川佐和子に向かって「阿川さん、僕は一回で妊娠させる自信ありますよ!」と言ったり、女子中学生を「ただでは済まさない」と脅したり、女子高生3人にチンポを見せて逮捕されたり、国後島で「女を買いたい」と騒ぎ出したり……。変な政党はいろいろあるが、維新の根幹にあるのは、女性差別、女性蔑視であり、昭和のキーセン観光、アジアに女を買いに行くようなオッサンの古臭いメンタリティーである。メディアがジャニーズの問題について真摯に反省するというなら、現在進行中の維新の会による性加害問題をきちんと検証すべきだ。
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