マウンドにある面白くて、怖いもの<br />お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈18〉 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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マウンドにある面白くて、怖いもの
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈18〉

ひとつの声でチームが変わる。前期優勝を果たすなかで見つけた野球の面白さ

後期に向け日々奮闘中! 
芸人との二刀流だったはずが今や……マウンドにとりつかれた杉浦双亮が取り組んでいるものとは?

◆もしかしていま、一刀流!?

 前期日程が終わり、後期日程が始まるのが7月31日。それまでの約2カ月、四国アイランドリーグはリーグ戦がお休みとなる。その代わり、リーグの有望な選手を選抜し、約3週間北米遠征をおこなう。北米の独立リーグ・キャンナム・リーグの6球団と公式戦として19試合を戦うのだ。
 僕はそのメンバーには選ばれず、愛媛で練習やトレーニング、練習試合をする日々を送っている。
 東京に仕事があるときは、練習を休ませてもらって芸人としての仕事をしたり、全国各地でイベントに出たりもしている。これまで散々「二刀流」と言ってきたけれど、実はほとんど野球漬けの生活で「ふつうに一刀流だよこれ」なんて思うこともあったから、少しバランスが取れたかな、と思っている。あとは相方のやまうっちゃんとも仕事がしたいなあ、というのが今の願いかなあ。みなさん、ぜひオファーをお願いします(笑)!

 さて、「仕事の依頼」はともかく、野球の話だ。
 独立リーグに来てから思うことは、つくづくピッチャーというポジションは面白いなあ、ということだ。
 正確に言えば、ポジションというよりは、ピッチャーをやりたいと思う人、マウンドに上がりたいと強く願う人は面白い、かもしれない。

 正直に言って僕のピッチャーとしての実力は周りに劣っている。
 僕は40歳だし、この20年以上硬式ボールを触ってもいない。毎日硬式練習をしてきた20歳以上若い選手たちにかなうわけがない。

 なにを当たりまえな、と言われそうだけど、そんな事実を理解していたとしても、ピッチャーとして絶対に周りに負けたくないと思う僕がいる。
「この点差なら、俺に任せてくれ!」とか、「前回打たれたからこのバッターにリベンジをしたい」とかいう気持ちが試合中にむくむくと沸き起こってくる。
 一方でマウンドに上がったら上がったで、やってはいけない、と分かっていることをやってしまうミスをおかしたりする。前期、何度も「フォアボール」を出してしまった。バッターに対して向かって行っているつもりでも、マウンドで結果を出したい、次のチャンスを摑みたい、という気持ちがピッチャーの感覚を狂わせるのだ。これについて、先日、知り合いとこんな話をした。お酒の席だったこともあって、知り合いがこんなこと言い始めた。

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杉浦 双亮

すぎうら そうすけ

1976年2月8日東京都八丈島出身。趣味はスポーツで体を動かす、地図を見る、天気を見る。特技は、球技全般(特に野球のピッチングは芸能界1の自信)、モノマネ。



オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/360monkeys/ ツイッター:@sugiurasousuke


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