リオ五輪での飛躍を誓う遠藤航
「メダルをかけるシーンを何度も想像している」
チームの悲願であったアジアチャンピオン奪回はベスト16でついえた。自ら失点のきっかけを作ってしまった遠藤の心のうちとは。
■U‐23で学んだものをU-23で返したい
出場がかなわなかったトゥーロン国際大会ではありましたが、試合は録画をしてチェックしました。拓(岩波)と亀川(諒史)がケガをしたときは、現地にいる選手とやり取りをしていました。対戦国はより若い選手を中心にチームを組んでいたり、ルールも変則的な大会ではありましたが、新しい選手を呼ぶことでチーム自体は活性化を促せていたと思うし、国際経験を積むという意味においても、日本にとっては貴重な大会であったと思います。
これまでU-23ではたくさんのことを学んできました。
何度か書いた「ゲームをコントロールする」ことや「試合中のメンタル」などはその象徴的なものです。勝った喜び、負けた悔しさ……そんなさまざまな“きっかけ”を作ってくれ、僕を強くしてくれました。
だからこそ、このリオの地で、オリンピックという大舞台で新たなきっかけをつかんでやる、という意欲があります。
戦い方は、アジア最終予選でやってきたことがベースになっていくはずです。まず、しっかりと守備のブロックを築いて失点をしない。そして、我慢をしながら隙を見て得点を奪いにいく、カウンターで得点をする。これまでアジアに対してやってきたことを、「対世界」として精度を上げていき、結果を残すだけです。
僕個人としても、アジアだけではなく世界でもやれるぞ、ということを証明したいと思っています。ゲームコントロールすること、球際……遠藤航という選手がいることを、しっかりとアピールしたいと思います。
リオの舞台でメダルをかけてもらう姿を何度も想像しました。
オリンピックを経験している阿部(勇樹)さんには初戦が大事だよ、と言ってもらいましたが、僕自身もそうだと思っています。まずナイジェリアに勝つことが、最高の色のメダルへの第一歩になります。
応援してくれている皆さんのためにも、快く送り出してくれたレッズのためにも、一緒に戦ってきた仲間のためにも、自分のためにも……、金色のメダルを持って帰りたいと思っています。