『女子大でなにを学んだの?』モラハラ夫が原因でがんになった女性を救うために必要なこと
自分に自信がもてない、理由もなくイライラする……そんな不安の原因は「お母さん病」に支配されているからだった!
そう思ってしまうのは、無意識に刷り込まれてきた自分のなかの「お母さん病」が原因かもしれません。(「お母さん」が悪いという意ではありません)
その概念を提唱した精神科医宮島賢也氏による「医者なし薬なしでいつの間にか「うつ」が消える本」から、どのようにその「お母さん病」と付き合っていくか教えていただきます。
◆薬で「お母さん病」は治らない
うつになるとき、人はうつ特有の考え方をします。
「だれも自分を認めてくれない」
「自分が嫌い」
「自分はダメだ」
という自己否定の考え方です。
嫌なこと、よくないことばかり目が行き、嫌なことがアタマの中を占領し続ける事でうつになっていくのです。
ぼくは過去、精神科医として、診断基準にのっとって患者さんを診断士、治療ガイドラインに従って薬を処方してきました。
多くの人が精神科医は「心の専門家」と思っています。精神科医のところに行けば、診断もカウンセリングも必要に応じてやってくれ、生きていることを楽にしてくれる、と思っています。しかし、それは誤解なのです。
いまの西洋医療の体制では、精神科医は患者さんから症状を聴き取り、診断基準にあてはめて診断をして、治療ガイドラインに従った投薬をします。
精神科医は症状のほかにも仕事内容や家族関係についても聴き取りますが、原因となっている考え方や人間関係にまでは踏み込まないことが多いのです。
精神科医は診断と薬の処方、カウンセリングはカウンセラー、という分業体制です。
カウンセリングにしても、精神科医療ありきで、薬を飲みながら、溜まったストレスの発散だけに終わっている場合が少なからずあるのです。
そのなかでぼくは一精神科医として、薬を処方してきたのですが、抗うつ剤でうつを麻痺させて職場に復帰しても、再発してしまう患者さんが多く、次第に薬の治療に疑問を感じるようになってきました。
◆うつを治すために必要なたったひとつのこと
そんな僕が、薬を使わないで患者さん自らが生き方を直すメンタルセラピーを開発したのは、単純な心理に気がついたからでした。
「刷り込まれた考え方を考えない限り、医者も薬もうつを治せない」ということです。
クリニックに来た方は自分のいまの目標を
「うつを治すこと」
「がんを治すこと」
「リウマチを治すこと」
「楽に生きること」
と答えます。
だいたいの方はそれまで病院にかかっていて、「うつですね」「がんです」「リウマチです」と病気を告げられ、薬を処方されています。
その薬を飲んでも治らないから、薬に頼らないメンタルセラピーや自律神経免疫療法を受けにやって来るのです。
そのときから、自分を苦しめている、思い込みに気づく旅が始まります。
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