『女子大でなにを学んだの?』モラハラ夫が原因でがんになった女性を救うために必要なこと
自分に自信がもてない、理由もなくイライラする……そんな不安の原因は「お母さん病」に支配されているからだった!
◆モラルハラスメント夫との日々でがんにーー若菜さん(30代)
ぼくのクリニックに来た、一人の女性の例を挙げてみます。
「うつで薬を飲み始めて2年、子宮がんになり手術しました」
免疫力をつけるにはうつじゃいけないですよね。いま6歳の娘のためにも再発したくないんです。先生助けてください」
「今のストレスはなんですか?」
「夫が不機嫌になるのが怖いです」
「夫が不機嫌になると若菜さんはどう感じるんですか?」
「料理が気に入らないと、食べずに冷たい目で見るんです。自分とつり合わない女だと思ってるな、とズシンと来るんです。そうなのだ、私はダメなんだという思いで」
「そう言われたことがあるんですか?」
「『女子大でなにを学んだの?』とかしょっちゅう言われました。夫は東大です。夫の父は京大、夫の母は津田塾大です」
「夫に変わってもらいたい?」
「ええ、いつか、認めてくれるんじゃないか、穏やかになるんじゃないかと」
「相手は変えられない。夫はいつになったら認めてくれるだろう?」
「えーっ、それじゃあんまり……」
「自分が自分を好きになることは選べるよ。自分のことをどう思ってる?」
「うつでがんで、子供に申し訳ないです」
「『申し訳ない』の連鎖はもったいないかも。子供のためでなく、自分のために、まずは『生きてくれてありがとう』の連鎖を始めましょ」
「申し訳ない、じゃなくて、ありがとう。
うつじゃなくって……、自分を好きになって……、免疫力をあげて……元気になる。自信を持って子供を育てる」
「では半年後のあなたはどうなっていますか?」
「半年後なんて……」
「半年後、自分を大好きになったあなたはなにしてる?」
「夫に怯えず、子供と楽しんで生きています」
「ステキですね。ひとつひとつ楽にしていきましょう」
彼女はモラルハラスメント夫の影響を強く受け、ストレスを溜めて免疫が落ちて、がんになっている。なのに、夫が変わることを頼りにするしか、どうしていいかわからない。自分を責めるばかりです。
変わらない相手はどうすればわかってくれるのか、こうしたらいいか、ああしたらいいか、と考えて一日が暮れる。そんなふうに心のエネルギーを使うと、自分の体に来ます。正しいか間違っているかではなくて、自分がうれしいかどうかで選び直していきましょう。
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