適菜収が選ぶ「2023年のバカニューストップ10」【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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適菜収が選ぶ「2023年のバカニューストップ10」【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第54回


2023年の年末、この国の終わりを予感させるには十分すぎるほどの事件が頻発した。週刊文春による松本人志の性加害報道、しんぶん赤旗日曜版 が暴いた自民党による組織的犯罪……。バカニューストップ10」にノミネートされた登場人物たちのバカぶりに笑ってばかりはいられない。このような絶望的な状況の中で、正気を維持するためにはどうすればいいのか? 『日本人は豚になる 三島由紀夫の予言』(KKベストセラーズ)で、それを考察した著者、適菜収氏の「だから何度も言ったのに」第54回。


松本人志

 

■「ほんこん化」する日本

 

 週刊文春としんぶん赤旗が日本を救いつつあるという感じの年末ですが、去年の年末もそんな感じだったような気もします。日本の凋落を示す暗いニュースはたくさんあるので、ここでは苦い笑いをお茶の間に届けた「バカニューストップ10」を選びました。

 

【第10位 「ヨドバシカメラは左翼だ」】

 

百田尚樹

 自称ユーチューバーの百田尚樹が立ち上げた「日本保守党」が大阪で開いた街頭演説が騒動になった。同党は大阪市のヨドバシカメラの前で街頭演説を開いたが、人混みでかなり危険な状態になり、ヨドバシカメラの店員とみられる男性が「危ないのでやめていただけないでしょうか」と深々と頭を下げてお願いする中、聴衆は「無理やー!帰れ!」と叫びだし、弁士の河村たかし名古屋市長は終始ニヤニヤと笑みを浮かべていた。この件に関し、ネトウヨが「ヨドバシカメラは左翼だ」と言い出したとのこと。本当だったら、それこそ「日本スゴイ」。「ヨドバシカメラは左翼」というフレーズ。何回聞いても面白い。いろいろ終わっているね。

 

【第9位 「いしんのしし」が新選組の羽織を着用】

 

馬場伸幸

 日本維新の会は、イノシシをモチーフにした初の公式マスコットキャラクター「いしんのしし」を発表。早速ネット上でツッコミが入っていた。「維新」の公式マスコットキャラクターなのに、敵側の新選組(幕府側)の羽織を着ていると。これを選んだのが馬場伸幸。このマスコットキャラクターは維新の本質を捉えてはいる。 反自民を偽装してきたけど、正体は体制側(幕府)だったというオチ。維新は存在自体がコント。

 

【第8位 反日カルトによる安倍晋三の神格化】

 

統一教会

 78日、統一教会は安倍晋三銃撃事件から1年となるのに合わせ、公式サイトで声明を発表し、安倍を「不世出の政治家」と礼讃した。統一教会も「不世出の政治家」を失ったので、相当焦っているのだろう。1218日、統一教会系の「世界日報」は、安倍派に捜査が入ったことに激怒。「【政界一喝】安倍派報道の屈辱に負けるな」というコラムには「安倍元首相と安倍派の名誉にかけて、その遺志を受け継ぐ有志らによって再起し、日本国のために立ち上がらなければならない」とある。安倍とその周辺が自民党内の「統一教会日本支部」と揶揄されるのも当然だ。

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 ✳︎

第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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