これ以上近づいたら撃つぞ!〜シリコンバレーの鉄道駅は現代アメリカの縮図だった〜【林直人】第1回
【集中連載】これ以上近づいたら撃つぞ!〜シリコンバレーで実感したアメリカと日本の現在〜 第1回
当然自炊ができるので、食費は劇的に下がりますし、日本居住者だけの旅行であれば日本のお米で日本と変わらない生活を楽しむことも出来ます。(シリコンバレーのAirbnbの大規模物件のオーナーはたいていの場合中国人ですので、炊飯器は常備されています。そもそもシリコンバレーの人口の体感半分程度は中国人か韓国人かインド人で米食に馴染みがあります。)日系スーパーはともかくとしてwalmartであれば日本食の材料や調味料をかなりリーズナブルに手に入れることも可能です。
また、移動手段についてもUberXLであれば6人まで乗車可能で、割り勘すればかなり安く移動できます。サンノゼのダウンタウンからの移動だと、サンノゼ市内の移動であればUberで10-20ドル程度、スタンフォード大学のような移動に45分かかる場所でも40ドル程度、サンフランシスコのように移動に1.5時間程度掛かる場所で60-80ドル程度です。これを人数で割り勘するのですから、移動費は他の手段と比べるとさほどかからないということがよく分かると思います。
他にも、同伴者としてふさわしい人物としては日本で自営業を行っている人物です。同伴者が勤め人だと、航空チケットやAirbnb、Uberが高い時期にしか旅行ができず思わぬ出費を強いられることになります。その点自営業者であれば閑散期に旅行にいくことでこれらのコストを安く上げることができますし、なによりも魅力的なのは、転売ヤーの友達と一緒に行くことで、世界中のどのような商品をどのように売れば日本で利益を得ることができるかわかるようになることです。これによりほとんど手出しなく海外旅行にいくことが可能になります。
また、不動産投資をやっている同行者から不動産投資の話しを聞いたり、ネットビジネスをやっている友達からネットビジネスの話しを聞いたりとノウハウの共有が進み、自分自身のビジネスチャンスを掴む機会に繋がります。
(4) SIMカードの購入
また、シリコンバレー旅行の際に覚えておきたい原理原則として、「アメリカでは人手がかかるものは高いが、人手がかからないものは安い」という原理原則があります。これはアメリカで使う携帯電話のSIMカードにも当てはまります。これは日本のAmazonで予め買っておいて自分で設定すれば2000円程度でできるところ、アメリカで買うと1万円程度してしまうこともあります。このようなことを事前に知っておくと、無駄な出費をせずに済みます。
(5) 宿泊先
宿泊先選びは、安全なシリコンバレー旅行を実現する上で特に重要な観点です。特に避けるべき地域としては、イーストパロアルトと言われる地域とイーストサンノゼといわれる地域です。イーストパロアルトはFacebook(現Meta)の本社を訪問するときに、イーストサンノゼはインド寺院を訪問するときにそれぞれ車で通りましたが、ここで宿泊先を借りてはいけないなとつくづく思いました。私達が泊まっていたサンノゼのダウンタウンも本来宿泊先として選ぶべき地域ではないですが、それでもイーストパロアルトやイーストサンノゼと比べればかなりマシといえる地域です。こうした治安の悪い地域の見分け方についてここではお話したいと思います。
まず、「シリコンバレー 治安 エリア」などで検索すると、日本語の情報で「イーストパロアルトとイーストサンノゼは危険」といったような情報が出てきます。これらの情報それ自体は非常に役に立つものではありますが、道一本で治安が変わるアメリカでは少々精度が低い情報であるとも言えます。私自身、シリコンバレーに到着してサンノゼのダウンタウンで過ごし始めてそのことに気づきました。
そもそも、アメリカにおいて道一本でがらっと治安がかわる理由としては(もちろん人種構成やそれぞれの人種の集住区が異なるなどの事情は加味しなければならないものの)かなり大雑把にいうと、小中高の学区によって地価がかなり異なるからです。連載の途中でも詳しく述べますが、アメリカは専門家を中心とする大学中心の社会です。政府が福祉という面においてはほとんど役に立たないので、教会や大学といったコミュニティが政府の代わりの機能を果たしています。
もちろん例外はありますがアジア系の場合には、移民一世にとっては教会が、移民二世以降は大学が自らの中心的なコミュニティになります。たとえば、アジア系の中で随一の人気を誇るコメディアンであるJimmy O Yangがブレイクしたドラマシリーズ「シリコンバレー」の脚本家はJimmy O Yangと同じ名門カリフォルニア大学サンディエゴ校の出身です。オスカーを獲得したベトナム系難民キー・ホイ・クァンも名門南カリフォルニア大学出身です。このようにアメリカにおける大学の役割は日本以上に大きく、そのためそうした大学に進学できるか否かに実質的にかなり大きな影響を及ぼす学区の違いが不動産価格の違いに直結し、ひいては治安に大きな影響をもたらします。
サンノゼでは地域によってはアジア系の8割以上が世界の名門カリフォルニア大学に進学する学区もあれば、メキシコから来た脱法難民に溢れ、ろくに授業が成立しない学区もあります。
こうした学区ごとの格差を如実に反映しているのがzillowというアメリカの不動産サイトです。Airbnbで宿を予約する際には、ぜひ近くの学区のスコアがどの程度かを確認することを強くおすすめします。GreatSchools ratingという機能を見れば学区のスコアがわかります。可能なかぎり学区のスコアが9に近い地域にAirbnbを取り、移動はすべてUberで済ませること、食材の調達はなるべくAmazon.comを使うことを強くおすすめします(安く上げるならUberを使って近くのwalmartに行くのが一番オススメですが夜は利用しないことをおすすめします)。