余計なものを持つことの価値【森博嗣】新連載「日常のフローチャート」第11回
森博嗣 新連載エッセィ「日常のフローチャート Daily Flowchart」連載第11回
【エキサイティングな年始だった】
というわけでは、年始は古いガラクタを見つけて、同時に8つほど修理をした。どれも1時間ずつくらい、少しやっては、別のものへ移り、気持ちをリセットして作業をする。とても楽しかった。4つほどは復活し、残りもいずれは蘇るだろう。今が一番寒い時期だから、工作室や書斎に籠もり、腰を落ち着けて、あれこれ考えながら、手を動かすのが面白い。
庭に出て、鉄道を走らせたり、犬と遊んでやることが2月は難しい。ドライブも冬の道路は危険なので控えるつもりだ。その分、インドアで暗躍する毎日である。今年も相変わらず、こんなふうに遊び続けよう。
文:森博嗣
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✴︎森博嗣 新刊『静かに生きて考える』発売忽ち重版!✴︎
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世の中はますます騒々しく、人々はいっそう浮き足立ってきた・・・そんなやかましい時代を、静かに生きるにはどうすればいいのか? 人生を幸せに生きるとはどういうことか?
森博嗣先生が自身の日常を観察し、思索しつづけた極上のエッセィ。「書くこと・作ること・生きること」の本質を綴り、不可解な時代を見極める智恵を指南。他者と競わず戦わず、孤独と自由を楽しむヒントに溢れた書です。
〈無駄だ、贅沢だ、というのなら、生きていること自体が無駄で贅沢な状況といえるだろう。人間は何故生きているのか、と問われれば、僕は「生きるのが趣味です」と答えるのが適切だと考えている。趣味は無駄で贅沢なものなのだから、辻褄が合っている。〉(第5回「五月が一番夏らしい季節」より)。