トングどっち向きに置く?【新保信長】「食堂生まれ、外食育ち」47品目 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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トングどっち向きに置く?【新保信長】「食堂生まれ、外食育ち」47品目

【隔週連載】新保信長「食堂生まれ、外食育ち」47品目

 

 一方、MoneyGeek編集部がパートナーのいる20代~40代の独身男女1000人に行った2023年の調査では、「デート代は男性が払うべきという風潮」に対して「同意する」「ある程度同意する」の合計が男女とも62%と高い数字が出ている。現実のデートにおける飲食費の支払い配分についての質問では「割り勘」が男性11%、女性19%。「男性が全額」は男性41%、女性24%という結果だった。

 ツヴァイの調査が「希望」を聞いているのに対して、こちらは実際の行動について聞いているので、そこに数字の差が表れたのだろう。それが証拠に「ホンネではどう思うか?」という問いには、女性の37%が「割り勘でいいと思う」と答えており、逆に男性は44%が「自分が全額でも問題ない」と答えている。要するに、本当は女性側も割り勘を望んでいる人は多いのに、実際には相手への気遣いやプライドなどの理由から男性が支払うケースが多いということだ(ただし、「パートナーに全額払ってほしい」という女性も14%いる)。 

 いずれにせよ、昔に比べれば「女が取り分け、男が支払う」というパターンは減ってきているに違いない。が、たぶん最後まで変わらなさそうなシチュエーションがひとつある。カップルや夫婦で泊まった場合の温泉旅館の朝食のおひつ。食事処で食べる場合は別にして、部屋食だったらほぼ間違いなく女性側に置かれる。まあ、あれはあれで温泉旅館の風情のうちとして、昭和の夫婦プレイを楽しむのも悪くないとは思うけど。

 

文:新保信長

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✴︎KKベストセラーズの7月新刊✴︎

新保信長 著『食堂生まれ、外食育ち

作家・平松洋子さん推薦!!

「気配をスッと消し、食の現場をニヤリと斬る。

選ばしし外食者の至芸がすごい。」

外食歴50年超の著者が綴る異色の外食エッセイ!
一口に「外食」と言っても、いろんなシチュエーションがある。子供の頃に親に連れていかれたデパートの大食堂。夜遅く仕事帰りに一人で入る牛丼屋。ここぞというデートや記念日に予約して行ったレストラン。気の置けない仲間と行く居酒屋。たまの贅沢のカウンターの寿司屋。出先でたまたま入った定食屋。近所のなじみの中華屋や焼き鳥屋……。
誰もが心当たりあるような懐かしくも愛しき「外食の時空間」への旅が始まる!

カバー&本文イラスト描いたイラストレーターおくやまゆかさん。

イラストが最高に愉快!(全50点収録)

目次

序 「今日のごはん何?」と聞いたことがない

第1章 ノスタルジア食堂

1品目|外国人と鴨南蛮と中華そば
2品目|ランチタイム地獄変
3品目|「天丼」と「うどん天」と「シマ」
4品目|出前とデリバリー今昔物語
5品目|おでん定食というギャンブル
6品目|ハンバーグ記念日
7品目|おいしい味噌汁の条件
8品目|最高のおやつ
9品目|校外学舎の悲しき夕食
10品目|わんこスイカ
11品目|ところ変われば品変わる
12品目|「恵方巻」と「丸かぶり」
13品目|ちくわぶとはんぺん
14品目|「肉じゃが=おふくろの味」って誰が決めた?
15品目|スマホがなかった時代
16品目|Gに気をつけろ!

第2章 私が通りすぎた店

17品目|あの素晴らしい寿司屋をもう一度
18品目|気まぐれすぎる女将
19品目|選択肢のない店
20品目|日本一大きいビアガーデン
21品目|カニ・マイ・ラブ
22品目|国会図書館でナポリタンを
23品目|夫婦の肖像
24品目|サハリンの夜
25品目|インドで大炎上
26品目|開幕前の至福の宴
27品目|私がスポーツジムに通う理由
28品目|かわいそうな寿司屋とその弟子
29品目|残業メシ格差
30品目|よそンちの食卓はつらいよ
31品目|大食いと早食い
32品目| BGMも味のうち?

第3章 外食の流儀

33品目|大盛りはうれしくない
34品目|取り皿問題
35品目|デザート嫌い
36品目|お熱いのはお好き?
37品目|器のTPO
38品目|あんまり尽くされても困る
39品目|スパゲティがパスタに変わった日
40品目|何をかけるか問題
41品目|どの席に座るか問題
42品目|酒飲み認定
43品目|11人きた!
44品目|硬と軟
45品目|人はだいたい同じものを注文する
46品目|トングどっち向きに置く?
47品目|箸と愛国
48品目|ステキなタイミング
おわりに 入れなかったあの店の話

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新保信長

しんぼ のぶなが

流しの編集者&ライター

1964年大阪生まれ。東京大学文学部心理学科卒。流しの編集者&ライター。単行本やムックの編集・執筆を手がける。「南信長」名義でマンガ解説も。著書に『国歌斉唱♪――「君が代」と世界の国歌はどう違う?』『虎バカ本の世界』『字が汚い!』『声が通らない!』ほか。南信長名義では『現代マンガの冒険者たち』『マンガの食卓』『1979年の奇跡』など。新刊『漫画家の自画像』(左右社)が絶賛発売中です!

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