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大石あきこ議員、橋下徹に完全勝訴 判決文にあったメディアに対する宿題とは何か?【篁五郎】

【橋下裁判・判決】 #大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ 2024年1月31日 記者会見LIVE配信より画像引用

 

■裁判官からメディアへ提言された内容とは

 

 大石議員の弁護団のひとりである大前弁護士が、判決文の中に報道機関いわゆるメディアに対して触れた文面があったと述べた。

「この判決の中で、ご理解いただきたいことが一つあります。それは、橋下さんとか大石さんだけではなく、「報道機関は」ということを事実認定している文章があるんです」

 その内容とは、報道機関は知事や市長といった公職者が取材に応じることは有益である。とりわけ橋下氏は、大阪府知事就任前から知名度が高かった。そのため知事就任直後から情報番組でその名を冠したコーナーが設けられるなど注目を集める存在であった。報道機関にとって、個別の取材に応じてもらえることは好都合であったといえる。

 その中で、大石議員は日刊ゲンダイに掲載されたような発言をした。それは橋下氏だけではなく、報道機関に対する批判でもあった。この判決は、大阪を中心としたメディアのあり方、報道機関の報じ方ということに対しても考えてほしいといったものであった。この判決は、マスコミ報道に対して一石を投じる重要な判決だと大前弁護士は述べている。

 我々が持っている「言論の自由」とは、橋下氏や自民党、安倍内閣のような手法を使えばいとも容易く失ってしまう危ういものである。これからも言論の自由を大切にしていくという点で、重要な判決であるというのは間違いない。我々メディアも今回の判決内容について問われている。しっかり受け止めていかねばならない。

 

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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