「大人の余裕」を持って公式戦初先発に臨む
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈22〉
中断期間もいよいよ終わり、後期日程間近。先発まで一カ月を切った!
歳の差を強みにしてやる!
「40歳」というと、みなさんにはどんなイメージがあるのだろう。
独立リーグで若い人たちに囲まれている僕は、ちょくちょく歳を感じる。やっぱり若い人たちの運動量や体の強さは40歳の僕とは全然違う(笑)。
でも一方で僕は、それを「大人の余裕」みたいなものに変えたいとも思っている。
8月20日、初の公式戦先発登板に向けていろいろな課題に取り組んでいるのだけれど、そのひとつに超スローカーブがある。目標は70キロ台。今の僕のストレートのマックスが123キロだから50キロ差の緩急をつけることで、新しい武器にしたいと思い取り組んでいるのだ。
のっけから何でこんなことを言うかというと、8月20日にもし僕がこの超スローカーブを投げていたとしたら、マウンドに余裕を持って立てていると思ってほしいから。いわゆる、「大人の余裕」を感じさせるピッチングができているということだ。
なんとしてでも、このチャンスをものにしたい。
そんなこんなで、前期日程が終わってから二カ月あった中断期間ももうすぐ終わり、後期日程が始まろうとしている。
この中断期間中、僕は超スローカーブに加え、ピッチングフォームを微調整したり、ストレートに磨きをかけたりと、いろいろと新しいことにも取り組んできた。そして、公式戦初先発の前哨戦となる先発のマウンドにも上がった。
7月21日に行われた高知ファイティングドックとの練習試合に先発した僕は3回を投げさせてもらったのだ。
試合前、三つの目標を掲げて臨んだのだけれど、残念ながらそれはひとつもクリアできなかった。
その三つというと……、
1・先頭バッターを出さない
2・三振をひとつ取る
3・先発の責任イニングである5回を投げる
というもの。
三振というのは自身の成長のバロメーターみたいなものだから、そこまで強く意識していなかったのだけれど、ひとつめと三つめはなんとしてでも達成したかった。試合内容を振り返ると、初回はショートゴロ、フォアボール、ショートゴロゲッツー。二回がひどかった。連続フォアボールにデッドボールでノーアウト満塁にするとファーストゴロ、センター犠牲フライで二点を失い、三回はレフトフライ、セカンドフライ、フォアボール、セカンドフライ。
二回は先頭バッターを出してしまっただけでなく、それがフォアボールというもっともやってはいけない形だった。よく「バッターは7割失敗しても良い打者と言われるんだから、思いきってストライクを取りにいけ」と言われることを聞くけど、マウンドに上がるとこれが難しい。
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