「大人の余裕」を持って公式戦初先発に臨む
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈22〉
中断期間もいよいよ終わり、後期日程間近。先発まで一カ月を切った!
台湾代表・陽投手に教わったこと
分かってはいるけれど……というジレンマに陥ってしまう。これは本当に不思議で、きっと心ではそうするつもりでも、体がどこか怖がってしまっているんだろうと思う。このときの登板の結果を見て気付いた人もいると思うけれど、この試合ヒットは一本も打たれていない。あやうくノーヒットで負け投手になりそうな試合だったくらいである。こう言うと、「だったら余計にストライクをどんどん取りにいけよ」と思われるんだろうけど……。
「簡単じゃないなあ、難しいなあ」
そう感じるこの頃なのである。
この課題をしっかりとクリアするために、まずはブルペンに数多く入って投げ込み、フォームを固めていこうと思う。この二カ月で1000球以上投げ込んだと思うけど、その効果を少しずつ感じているからだ。
基本的にフォアボールが多くなってしまうときというのは、変化球のコントロールが悪いときだ。だから変化球を投げ込み、しっかりとコントロールできるようにする。そして後期日程の場でそれを少しずつ実戦できていければと思う。
フォームに関して言うと、少しずつ手ごたえを感じ始めている。台湾代表としても活躍した陽建福投手がチームメイトにいて、キャッチボールを一緒にしているのだけれど、フォームについていろいろとアドバイスをくれる。37歳と歳も近いこともあり、体の使い方など、僕にもフィットするところが多い。実際、最近ストレートが以前より伸びるようになってきた。先の練習試合、9つのアウトのうち8つがストレート。受けていたキャッチャーも「前より、ストレートが全然よくなりました」と言ってくれる。
体重も入団前より10キロ増え(食べすぎじゃないことを祈っている)、パワーが付いて来たのかもしれない。
公式戦初先発まで残された時間は少ない。チームの勝利のために。いや、同世代のみんなに少しでも「やればできるんだ」「若い人たちにも負けないんだぞ」という部分を見せたいと思っている。
- 1
- 2