松本人志「俺の子供を産めや」がもし事実だとしても、発言自体は全然「不適切」ではない理由【宝泉薫】
「最近は俺、図書館にいる司書さんみたいな人と付き合いたいんねん。君みたいな真面目な子に俺の子供を産んでほしいねん」
例によって、虚偽である可能性もあるが、この言葉自体は悪くない。男は本来、さまざまなタイプとの子供を残したいはずなので、自然かつ健全な願望といえる。
もちろん、人間は社会性とやらを持ってしまったため、一夫一妻制などを作り、社会の安定を保つべく、こうした本能を抑制してきた。が、それが行き過ぎたことにより、少子化などという種の存続をおびやかすような問題が起きている、ということはちゃんと認識され、共有されたほうがよいのではないか。
そういえば昔、モーニング娘。で当てた頃のつんく♂が「全都道府県に恋人がいるのが理想だ」という趣旨の発言をしていた。これまた、自然で健全な願望だ。モー娘をはじめとするハロー!プロジェクト系のアイドルには、結婚・出産に積極的な人が多く、それはこんな「つんくイズム」とでもいうものが、その人選や進路選択に反映されてもいるからだろう。
一方、松本的発言と対極にあるような発言も最近耳にした。大谷翔平が結婚会見で、子供について聞かれたときの、
「もちろんそうなるといいですけどね。自分以外のことは言うと叶わないような気がするのであんまり言いたくないです」
という回答だ。対極にあるような、と感じたのはこれが絶賛されていたからで、なかには、相手女性にプレッシャーをかけない優しさを感じるという声もあった。賢くて慎重な大谷らしい言葉選びとはいえ、これが絶賛されて松本のそれが気持ち悪がられるのは、不公平というか、いかにも前出の行き過ぎた本能抑制状況を象徴している。
叩かれたといえば、数年前の杉田水脈もそうだ。LGBT問題について、
「生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別」
と、ブログに書いたことが批判された。